「彼はバスケットボールの天才」リーブスがレイカーズ新HCのレディックを絶賛「いいコーチになると思う」<DUNKSHOOT>

現地時間6月20日(日本時間21日、日付は以下同)、ロサンゼルス・レイカーズの次期HC(ヘッドコーチ)としてJJ・レディック(元ロサンゼルス・クリッパーズほか)が4年契約で合意したと、米スポーツ専門局『ESPN』が報じた。

一時はコネチカット大を全米2連覇へ導いたダン・ハーリーHCも候補に浮上するなど、レイカーズの次期HC探しは迷走していたものの、ダービン・ハム前HC解任から1カ月半が経過し、ようやく新たな指揮官が決まったようだ。

レイカーズは24日にレディックの新HC就任記者会見をすると発表。この日は40歳の誕生日でもあり、彼にとって記念すべき1日になることだろう。

NBA歴代2位の優勝回数17回を誇るレイカーズは、ジェリー・ウエストやマジック・ジョンソン、カリーム・アブドゥル・ジャバー、シャキール・オニール、コビー・ブライアントなど数多くのスーパースターたちがプレーしてきた名門チーム。
その一方で、シャックとコビーを擁して2000~02年にかけて3連覇、2009、10年にも2連覇を達成したフィル・ジャクソンHCが2010-11シーズン終了後に退任後、レイカーズの指揮官を4シーズン以上務めた人物は皆無。ロサンゼルスを本拠地にするレイカーズでは常に優勝が期待され、ロスターやチーム状況がどうであれ、すぐさま結果を求められるタフな環境と言っていい。

レディックはNBAで15シーズンをプレーしたシャープシューター。レギュラーシーズン通算940試合でキャリア平均25.5分、12.8点、2.0リバウンド、2.0アシストに3ポイント成功率41.5%(平均2.1本成功)をマークした。

2021年9月に現役を引退すると、『ESPN』のNBAアナリストに就任。先日まで行われていたファイナルでも放送席におり、バスケットボールIQとコミュニケーション能力の高さには目を見張るものがある。

レイカーズ在籍3年目を終え、地元アーカンソーへ帰郷しているオースティン・リーブスは、22日に地元メディアからレディック新HC就任について聞かれ、こう期待を寄せていた。
「JJのことはちょっとだけど知っているよ。今年の半ばくらいに彼のポッドキャスト番組で知ったんだ。彼はバスケットボールの天才さ。それはみんなが知っているよね。僕は彼ならいいコーチになると思うんだ。彼と一緒にやっていくのが待ち切れないよ」

レディックは現役時代からポッドキャスト番組『The Old Man and the Three』で軽妙なトークを披露してきた。さらに今年3月からは、同い年でレイカーズの主軸を務めるレブロン・ジェームズと新たに『Mind the Game』も始動し、バスケットボールについて語り合っている。

とはいえ、レイカーズはハム前HC解任とともにAC(アシスタントコーチ)陣も一掃し、コーチングスタッフが空白の状態。来季からNBAチームでコーチ経験のないレディックが指揮を執るため、彼の周囲を固めるコーチ陣の人選も重要となる。
『Bovada』によると、レイカーズのAC候補にはスコット・ブルックス、ラジョン・ロンド、ジェームズ・ボレゴ、サム・キャセール、ジャレッド・ダドリーらが挙がっているという。

そのうちブルックスはオクラホマシティ・サンダーとワシントン・ウィザーズ、ボレゴはオーランド・マジックとシャーロット・ホーネッツでHCを務めた経験がある。ロンドとダドリーは2020年のレイカーズ優勝メンバーで、ダドリーは現在ダラス・マーベリックスでACを務めている。キャセールは現役時代に優勝3度、今季もボストン・セルティックスのACとして優勝を経験するなど、コーチ経験が豊富だ。

ただ、彼ら全員がレイカーズのコーチングスタッフ入りできるわけではなく、そのうち数人が加われば御の字だろう。はたして、新生レイカーズのコーチ陣がどんなメンバーになるのか、今後の動きに注目していきたい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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