日本の基礎的財政収支、来年度の目標未達の見通し=ムーディーズ

[東京 24日 ロイター] - 米格付け会社ムーディーズで日本のソブリン格付けを担当するアナリスト、クリスチャン・ド・グズマン氏は24日、ロイターとのインタビューに応じ、日本政府が来年度の基礎的財政収支の黒字化目標を達成できなくても、格付けに関してネガティブな見直しをする可能性は低いと述べた。

黒字化目標は財政改革へのコミットメントと考えるべきだと発言。来年度の目標達成は予想していないが、目標を達成できなくても格付けに関してネガティブな見直しをする可能性は低いと語った。

「もしそのコミットメントを放棄し、実際に状況が悪化し、財政赤字が大幅に拡大、債務が大幅に増加すれば、格付けの柱を検証しなければならない」と同氏は述べた。

日銀の金融政策については、正常化に向け非常に緩やかなアプローチを取ると予想。「これは、金利がさらに上昇する時に備え、政府には財政政策を調整する時間があるということだ」と指摘し「1─2年以内にはそうなるとは考えていない」と述べた。

来年度の基礎的財政収支黒字化目標について「目標を達成できないだろう」との見方を示した。その上で、政府が歳出・歳入の改革のコミットメントを守る限り、目標未達による格付け変更は少なくとも当面は起こらないだろうと述べた。「コミットメントが存在するというシグナルが発信されている。コミットメントを定着させることが重要だ」と指摘した。

ムーディーズは2014年終盤に日本の格付けを「A1(安定的)」に設定した。

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