中学生のスポーツに関する話題です。6月、日本中学校体育連盟は「全国中学校体育大会」「全中」を3年後の2027年度から規模を縮小して開催すると発表しました。
それによると相撲やハンドボールなど9つの競技が開催されなくなることになりました。背景には「急速に進む少子化」や「教員の負担軽減」があるとされていますが、
突然の発表に指導者や子供たちは戸惑いを見せています。
芦北町の芦北トレジャー相撲クラブです。
地域クラブとして活動し、去年の熊本県中体連で優勝。
「全国中学校体育大会」「全中」に出場しました。
【去年「全中」に出場 戸田勇翔さん(中3)】
「全国から強い選手がたくさんきて中学横綱を決める大会でとても迫力や緊迫した空気があった。(中学生が)目指す場所だと思うので、相撲が(全中から)なくなるのは寂しい」
本田貴紀監督は宇土鶴城中時代に全中で優勝した経験を持ちます。
今回の発表はあまりにも突然だったと困惑しています。
【本田貴紀監督】
「最初は『ウソかな』『本当かな』という感じで残念というのが正直な意見」
開催の取りやめは2027年度から。いまの小学6年生が中学3年になるときです。
【山口隼瑠さん(小6)】
「(出場した先輩たちは)かっこいい、尊敬する気持ちです。無くならずにまだまだ続いてほしい」
現在、中学相撲の全国大会は「全中」を含め2つありますが、2027年度以降はどうなるのか?
監督はどうにか全国規模の大会数は維持してほしいと思っています。
「いま日本相撲連盟は二大大会のうちのあと一つの大会に織り交ぜて一つにする方向性にすると知ったのでそういうやり方をすると子供たちの目指す目標が一つ減るので
難しい所だなと思う。高校の先生や大相撲のスカウトからすれば全中でどこまで記録を残したかがすごく評価対象というか一つの目安になる」
中学卒業後の進路にも影響が出るのではとの懸念もあります。
「できる限り子供たちの大会を開催できるように何かしら方法を変えながらでも形を残していければと思う」
今回発表された「全中」で取りやめとなる競技は、9つ。
主に部活動の設置率が低い競技が対象となりました。
これについて、これまで男女の世界選手権が県内で開催されてきたハンドボールでの受け止めは。
【熊本県ハンドボール協会 奥園栄純 理事長】
「乱暴な判断だと思う。全中から無くなるのは一般でいうと五輪競技から外されるような感覚。マイナー競技の烙印を押されたようなイメージがあり、ショック」
対象とされた競技関係者からは落胆の声が聞かれました。
では「全中」での動きを受けて「県大会」などは今後どうなるのか。
熊本県中学校体育連盟に聞いたところ、「現段階では何も決まっていない。九州大会も含めてどのようにしていくのか、担当者や競技専門部などとも会議を開いていく」
ということでした。
中学校での部活動を巡っては地域移行も進められていて、今後、ますます環境が変わることが見込まれます。
そのような中で、どうすれば子供たちの「運動が好き」「活動を続けたい」「大会で実力を試したい」そんな気持ちに応えることが出来るのか。持続可能な運営方法を
社会全体で考える必要があると感じます。