バレー男子・ブラン監督 敬意込め異例の「さん」付け発表 「本当は14人」も苦悩選考 落選選手への配慮も「日本背負うMBに」「世界一のリベロ」

 日本代表・フィリップ・ブラン監督

 日本バレーボール協会は24日、7月に開幕するパリ五輪の男子日本代表内定選手12人を発表した。石川祐希主将、高橋藍、西田有志ら主力メンバーが顔をそろえた。

 世界ランク2位にもなり、「史上最強」の呼び声高い日本代表。選考を終えたブラン監督は「われわれは歴史をつくる。メダルのためにゴールに向かって突き進むことを誓う。五輪後にすべての人々に、われわれの戦いに誇りを持ってもらえることを期待している」とメンバーに自信をにじませた。

 「選手全員が五輪で活躍できると考えている。本当は他の大会のように14人連れていきたかったが、ルールの上で仕方がない」と苦悩の選考を振り返った。そして「セッターポジション、マサヒロ・セキタさん、アキヒロ・フカツさん、オポジット、ユウジ・ニシダさん、ケント・ミヤウラさん、アウトサイドヒッター、ユウキ・イシカワさん、ラン・タカハシさん、タツノリ・オオツカさん、マサト・カイさん…」と名前を呼び上げていき、選ばれた選手、落選した選手に異例の「さん」付けも交えて敬意を示し、選考理由を語っていった。

 落選となったミドルのエバデダン・ラリーについて「ラリーは今までの練習でもとても良いプレーをしてくれましたし、昨日の米国戦でも良いプレーを披露してくれた。彼は将来日本を背負って立つミドルブロッカーになる。(28年五輪の)ロサンゼルスには間違いなく行くと信じてます」と期待を込めた。また、最も苦悩したのは、守備を重視する日本のバレーの要となるリベロのポジションについて「リベロは、最初に私が日本に来た時に言ったのは『日本は世界一のリベロを持つべきチームだ』と話した。今、日本には世界一のリベロが2人いる。多くの国が世界一のリベロがほしいと考えている中で、日本は五輪で1人に絞らないといけない」と2人をたたえた。その上で「とても悩ましいところだった。山本さんはフローターサーブのパスだったり、戦術の中での動きを改善する必要があったし、小川さんはディグの技術を向上させることが課題でした。それを2人とも大きく上達させた。NLでは同じような出場機会を与え、2人とも強いリーダーシップを発揮して、チームを勝利に導くことができると示してくれた。全体的なものを見て選んだ。差はわずか。感情的には厳しいものがあった」と明かした。

 落選選手への配慮も込めた会見となった。

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