発足2年目で全国切符をつかんだ野球少年たち 急成長の裏には地道な努力と周囲の支えがあった 14人は「一戦必勝」を目標にプレーでの恩返しを誓う 指宿ボーイズ

旧山川小学校体育館を拠点にバッティング練習に励む選手たち=22日、指宿市山川福元

 鹿児島県指宿市の中学硬式野球チーム「指宿ボーイズ」が、第55回日本少年野球選手権鹿児島県支部予選で初優勝を飾った。閉校した旧山川小学校を拠点に練習を重ね、発足から2年目でつかみ取った快挙。選手たちは「体づくりから地道に取り組んできた成果が出た」と喜んでいる。

 大会は6チームが出場。16日にあった薩摩川内ボーイズとの決勝は、序盤から犠打や盗塁を絡めて小刻みに加点した。一時追い付かれたが冷静にプレーを続け、5-4で接戦を制した。西友希斗主将(南指宿中3年)は「普段通り着実につなぐことができた」と胸を張る。

 チームは指宿市や鹿児島市の14人が所属。2023年4月の結成から2カ月半で挑んだ前回大会は初戦敗退だった。悔しさをバネに、基本から徹底して磨き直した。今年1月に新たな練習拠点ができたことも、モチベーション向上につながったという。

 地元の常盤建設が「地域の人や子どもたちが集える場をつくりたい」と、3年前に閉校した旧山川小学校の体育館を改装。全面に人工芝を張り、保護者らも協力して防球ネットを設置した。

 日没後や雨天時も利用でき、竹山徹監督(47)は「場所を転々とすることがなく、腰を据えて取り組めるのは大きい」と感謝する。

 本大会は8月に大阪府であり、各支部予選を勝ち抜いた強豪が集う。選手たちは「一戦必勝」を目標に練習に励んでいる。西主将は「一つでも多く勝ち上がり、支えてくれた人々に恩返しがしたい」と力強く語った。

優勝旗を手に、笑顔を見せる指宿ボーイズの選手たち=22日、指宿市山川福元

© 株式会社南日本新聞社