海田 初甲子園へ最速145キロエース松本導く 今春広島大会準V&中国大会4強の公立校が台風の目に

 注目のエース・松本(撮影・高橋涼太朗)

 「全国高校野球選手権・広島大会」(7月6日開幕)

 海田は今大会のダークホース候補だ。春季広島大会で準優勝を果たし、中国大会でも1勝を挙げ4強入り。堅い守備と小技を絡めた1点を積み重ねる野球で上位進出を狙う。チームの中心は最速145キロを誇るエース・松本遼太投手(3年)。成長著しい大型右腕がマウンド上で実力を発揮出来れば、快進撃がぐっと近づく。

 練習時間はわずか1時間。テスト前の貴重な時間をフル活用するため、めまぐるしく選手たちが動いていた。平崎直樹監督(58)は「うちは私立と違って時間が限られている。その中で無駄にする時間はありません」とテキパキ動く選手を見つめながら話した。

 今春の広島大会で準優勝を果たし、初出場の中国大会で4強入り。躍進の中心にいたのが最速145キロ右腕のエース・松本だ。武器は「打たれたら仕方ないと思っている」と言うほど自信を持つ真っすぐ。ピンチではギアを上げ、威力はさらに増す。

 入学当初は最速130キロと平凡な投手だった。成長したのは「2回の冬です」と振り返る。冬の期間で体幹トレーニングに着手し、これまで鍛えてこなかった部位を使う感覚を覚えた。「冬が明けたら一気に球速が上がっていました」と成長の秘訣(ひけつ)を明かした。

 時間があればインスタグラムなどで、野球情報を集める勉強家の一面も。特に大リーグ・メッツに所属するジェイコブ・デグロムのフォームを見るのが好きと言い、「あんなにきれいなフォームで投げるのが理想」と目を輝かせた。

 指揮官はメンタル面の成長も認めている。「俯瞰(ふかん)して投げられるようになった。自分が抑えて勝つ試合も増えてきて、自信が持てるようになったんじゃないかな」とうなずいた。

 目指すのは同校初の甲子園出場だ。「1試合ずつに全力をぶつけて、悔いのない夏にしたいです」と松本。自慢の剛速球でチームを新たなステージへ連れて行く。

 ◇松本 遼太(まつもと・りょうた)2006年5月20日生まれ、18歳。広島県広島市出身。180センチ、82キロ。右投げ右打ち、投手。小1から楠那ジュニアソフトボールクラブでソフトを始め、6年の時に広島安芸リトルリーグへ加入。翠町中時はヤングひろしまに所属。最速145キロ。持ち球は直球、カットボール、フォーク。

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