間一髪、1秒後に電車 踏切から男性救出 女子高生、会社員に感謝状

感謝状を受け取った(左から)清水さん、雁行さん=金沢西署

  ●西金沢の石川線 

 北陸鉄道石川線の遮断機が下りた踏切内に自転車で進入し、立ち往生していた高齢男性を助けたとして、金沢西署は24日、女子高生と会社員の男性の2人に感謝状を贈った。偶然居合わせた伏見高1年の清水梨央さん(15)と会社員の雁行(がんこう)真志さん(47)で、遮断機を上げるなど連携し、男性と自転車を踏切の外に引っ張り出した。救出の1秒後に電車が踏切内を通過しており、間一髪で男性の命を救った。

 2人は5月17日午後0時半ごろ、金沢市西金沢1丁目の太郎田踏切で居合わせた。清水さんは自転車で帰宅途中、雁行さんは車で客の元に向かう途中だった。2人は自転車に乗った男性が、遮断機が下りる寸前で踏切内に入っていくのに気付いた。その後、反対側の遮断機も下り、男性は踏切内に閉じ込められた。

 新西金沢駅を出発した電車が迫る中、清水さんが男性に駆け寄り、男性の自転車を踏切の外へ。ほぼ同時に雁行さんも車から降りて駆けつけ、遮断機を上げて男性を引っ張り出した。踏切反対側で停車していた車のドライブレコーダーには、2人が男性を引っ張り出した直後に電車が踏切を通過する様子が映っていた。

 署で行われた感謝状贈呈式では、松崎弘署長が2人に感謝状と記念品を手渡し、「重大な事故に発展した恐れがあり、電車の乗客にも危険が及んでいた。危険を顧みず、高齢の男性を救助していただきありがとうございました」とたたえた。清水さんは「驚いたけど『助けなきゃ』と、とっさに体が動いた」と当時を振り返り、雁行さんは「清水さんの動きにつられて行動できた。彼女に感謝したい」と話した。

  ●救助の瞬間写す 電子版で動画

 北國新聞電子版「北國新聞デジタル」では、男性が救助される様子を写した動画を視聴できる。

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