「幸せ空気をくれる」 渋野日向子はレクシー・トンプソンと“感無量”の最終日

最終日同組になった渋野日向子(左)とレクシー・トンプソン(右)(撮影:南しずか)

<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 最終日◇23日◇サハリーCC(米ワシントン州)◇6731ヤード・パー72>

渋野日向子が“熱望”した、レクシー・トンプソン(米国)との同組プレーが実現した。しかもメジャー大会の最終日で、最終組の2つ前。優勝争いに加わる位置で、レクシーとコ・ジンヨン(韓国)という“スーパースター”との3サムだった。

レクシーは3週間前の「全米女子オープン」でツアー撤退を表明。3位タイで予選ラウンドを終えたとき「レクシーと回りたい」と切望していたが、それが最終日に叶った。「『私、ここにいていいんかな』って申し訳ないと思いながら、観客気分でいました」と恐縮しつつも、“特等席”でレクシーの姿を目に焼き付けた。

「SNSとかでレクシーの人柄をよく見るけれど、面と向かってみてもすごいんですよ。幸せ空気をくれる感じ。なんで辞めちゃうのかな、っていう。彼女には彼女の考えがあるけれど…。辞めないでほしいです。撤回してほしいなって」。いちファンとしての本音も、ポロリと漏らす。

打ち下ろしで池越えの17番パー3では「ちょっとダフった」というティショットが、グリーンギリギリに落ちてピン2.5メートルについた。歓声を引き出すなか、レクシーが渋野に『私もきのう、同じことやったの』と声をかけ、忘れられないワンシーンになった。

レクシーは前半1バーディ・4ボギー・2ダブルボギーの「43」と苦戦。だが、後半にボギーフリーの5バーディを奪取。最終18番では4メートルを決め、ひときわ大きな歓声を浴びた。

ホールアウト後にはふたりにお願いをして、一緒に写真を撮った。「感慨深かったです」。全米女子プロについては開幕前に「あまりいい思い出がない」と話していたが、ここシアトルで、最高の記憶に塗り替えられた。(文・笠井あかり)

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