佐賀の魅力 独自の視点で 「孤独のグルメ」久住さんトーク

トークショーで佐賀の魅力を語る久住昌之さん=武雄市図書館

 ドラマ化されて人気となった漫画「孤独のグルメ」原作者の久住昌之さんが23日、武雄市図書館でトークショーとサイン会を開いた。エッセー集「新・佐賀漫遊記」の出版を記念して開催し、個人主義的な県民の気質など、足しげく訪れる久住さんならではの視点で佐賀の魅力を語った。

 久住さんは、ワラスボに出合った白石町の食事処(どころ)「よらん海」や、肥前吉田焼の陶芸家辻諭さんから絵付けを習ったことなど、本に登場する店やエピソードについて詳しく話した。変わった店の看板や、目を引く交通安全の人形なども写真で紹介して笑いを誘った。

 佐賀の特徴として、銅像の説明や駅の乗り換え案内が分かりづらいと指摘した。「個人主義的な佐賀人の気質が影響しているのでは」と理由を推測し、「説明不足なところが逆に面白い」と語って会場を盛り上げた。

 ラーメンや町の食堂の魅力についても話し、「飲食店は自分で探して行くと、失敗しても得るものが多くある。繰り返すと自分の味覚が分かってきて、いろんなものに惑わされなくなる」とアドバイスした。

 来場した有田町の椎谷孝史さん(41)は「テレビで見たままの人柄で面白かった」と感想を話した。

 22日には佐賀市の紀伊國屋書店佐賀店でサイン会を開き、約100人が列をつくった。「新・佐賀漫遊記」は産業編集センター刊、1540円。県内の主要書店で販売している。(花木芙美)

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