長崎の大石知事が県議から「借り入れ」 2022年収支報告書に記載…「寄付」に訂正へ

 長崎県の大石賢吾知事は24日、2022年の政治資金収支報告書で、自らの後援会が現職県議の後援会から286万円を借り入れた記載をしていることについて、政治資金規正法や税法上の違法性はないが誤解を与えかねないとし、今月中に訂正する考えを示した。
 県議会一般質問で田中愛国議員(自民)に「政治倫理上問題がある」と指摘されて答弁した。
 大石氏の後援会などによると、知事選があった22年2月に選対幹部だった県議の後援会から286万円の送金を受け、同年12月に利息7万3106円を加えた293万3106円を返金した。陣営の選挙コンサルタントの指導で貸し借りの形を取り、「選挙資金集め」が目的だったという。
 大石氏は、自主的な外部監査で「個人献金を奨励する制の抜け穴と認知されている手法などと指摘された。深く反省している」と述べた。大石氏と県議の両後援会は286万円の送金は「寄付」とする形で訂正する方向。利息はすでに返還したという。
 22年の収支報告書によると、この県議が代表を務める政党支部は知事選までに複数の医療法人などから計286万円の寄付を受けており、同額を自らの後援会に寄付。その後、大石氏側へ送金した。候補者の後援会などに対する直接の企業・団体献金は法律で禁じられており、今回の送金は「迂回(うかい)献金ではないか」と指摘する声もある。

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