中国は新たな質の生産力で世界に貢献 新華社経済円卓会議

中国は新たな質の生産力で世界に貢献 新華社経済円卓会議

精密機器の生産ラインで稼働する中国の産業用ロボットJAKAのロボット。(資料写真、上海=新華社配信)

 【新華社北京6月25日】中国の金融専門家や政府関係者は、「新たな質の生産力」(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)の育成に向けた中国の取り組みが世界の発展に新たな活力を吹き込むとの考えを示した。

 新華社が24日配信したオムニメディア(全媒体)形式の討論番組「中国経済円卓会議」(第6期)で有識者らは、中国のこの発展戦略がイノベーション主導の成長を求める世界の投資家に大きなチャンスをもたらすだけでなく、世界にとってより豊かで持続可能な未来を創造すると指摘した。

 新たな質の生産力は2023年に初めて提起された概念で、従来の経済成長モードや生産性向上の道筋から脱却した先進的な生産力を指し、ハイテク、高効率、高品質を特徴とする。

 ▽新たな機会の創出

 深圳市前海管理局の王錦侠(おう・きんきょう)副局長は「世界の投資家は中国企業とともに新たな質の生産力から生まれる新たなチャンスを掴んでいる」と語った。前海深港現代サービス業協力区は深圳市の「現代サービス業」モデル地区となっている。

 王氏は、中国は世界最大の市場であり、新たな質の生産力の発展は引き続き市場の需要を生み出し、世界の投資家をますます多く引き付けると指摘した。

 公式データによると、外資系企業は新たなビジネスチャンスを求め、前海に400億ドル(1ドル=約160円)以上投資している。

 王氏は「新たな質の生産力の発展はグローバル化だけでなく、最新の技術革命でより大きな役割を果たす機会を世界の投資家に提供している」と語った。

 フランス電機大手シュナイダーエレクトリックは2023年、中国各地にデジタル電力、オートメーション、人工知能(AI)に関する研究開発センターを複数設立した。

 同社のバーバラ・フレイ副社長は最近の新華社のインタビューで「私にとって中国市場の重要性は変わっていない」と述べ、より成熟した経済と産業オートメーションの最大の市場としての中国の地位に自信を示し「イノベーションの推進者」としての中国の役割を強調した。

 中国が新たな質の生産力を育成する最新の取り組みを行う中、張国清(ちょう・こくせい)国務院副総理はこのほど、科学技術革新と産業革新を統合する必要性を強調し、中国の製造業で設備の大規模化と技術の高度化を進めるよう呼びかけた。

 中国は外国人投資家に対し、ネガティブリストの継続的な削減と製造業参入規制の撤廃を約束した。

 商務部によると、イノベーションへの揺るぎない注力により、中国ハイテク製造業に対する今年第1四半期の外国からの直接投資は377億6千万元(1元=約22円)に上った。

 ▽世界のグリーン転換を促進

 科学技術部直属の政策研究機関、科学技術発展戦略研究院の劉冬梅(りゅう・とうばい)共産党委員会書記は、中国が科学技術革新を通じて新たな質の生産力を育成し続けると同時に、インテリジェントで環境に優しく、包括的な技術を他国と共有していると指摘。世界が食糧安全保障や自然災害、気候変動などの課題に直面する中、豊富な経験を持つ中国はこれらの問題に対処する上で多くの貢献ができると述べた。

 劉氏は「中国がオープンかつ包括的な方法で新たな質の生産力を発展させているのは、知識と革新成果を世界と共有する用意があることを意味する。新たな質の生産力の発展は世界経済の成長を促進するだけでなく、人類全体がより良い未来を築くためにも不可欠だと信じている」と語った。

 フレイ氏は、中国は風力タービンやソーラーパネル、電気自動車(EV)用バッテリーなど再生可能エネルギー市場向けの部品供給で世界的なリーダーシップを持つとし「中国は現在のエネルギー情勢の中で道を切り開いている」と述べた。

 国際エネルギー機関(IEA)が発表した市場レポート「再生可能エネルギー(Renewables)2023」は中国について、再生可能エネルギー技術の経済的魅力と支援的な政策環境を挙げて「世界の再生可能エネルギー大国」と評価。「中国は2030年までに世界で必要とされる新規再生可能エネルギー容量の半分以上を設置すると見込まれ、世界が再生可能エネルギーを3倍にするという目標を達成する上で中国の役割は極めて重要」と指摘した。

 IEAのビロル事務局長は、太陽光発電や風力発電、EV、動力電池の分野で優れた進歩を遂げる中国が他国のクリーンエネルギー設備の価格引き下げに貢献しているとし、中国は「クリーンエネルギーの世界チャンピオン」だと評価した。

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