【米ビルボード・ソング・チャート】サブリナ・カーペンター、「プリーズ・プリーズ・プリーズ」で自身初の1位

米ペンシルヴァニア州出身のシンガー=サブリナ・カーペンターの「プリーズ・プリーズ・プリーズ」が登場2週目で首位に到達し、自身初のNo.1タイトルを獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

先週2位に初登場した「プリーズ・プリーズ・プリーズ」は、今週の集計期間(2024年6月14日~6月20日)にストリーミングが5,090万回(1%増加)、エアプレイが320万回(502%増加)、セールスは7,000(10%減少)をそれぞれ記録して、ストリーミング・ソング・チャートでは2週目の1位を獲得。デジタル・ソング・セールス・チャートでは先週に続き7位にランクインした。

先週は、6月7日に公開されたボーイフレンドで『ソルトバーン』の主演を務めた俳優のバリー・コーガンが出演するミュージック・ビデオが話題を集めたが、今週の集計期間中の6月18日には、アコースティック、アカペラ、インストゥルメンタル、スピードアップ、スローダウンといった別バージョンがそれぞれリリースされ、6月20日には9月23日から米オハイオ州コロンバスでスタートする【ショート・アンド・スウィート・ツアー】を発表したことで、ヒットを後押しした。

「プリーズ・プリーズ・プリーズ」は、8月23日にリリース予定のニュー・アルバム『ショート・アンド・スウィート』からのリード・シングルで、本作からは今週4位にランクインしている「エスプレッソ」の2曲がTOP10入りしている。

サブリナの曲が初めてソング・チャート“Hot 100”にランクインしたのは、「スキン」がチャートインした2021年2月で、今年の2月に「フェザー」がTOP40入り、4月に「エスプレッソ」がTOP10入り、そして今週「プリーズ・プリーズ・プリーズ」が1位を獲得して、通算5曲目のランクインを果たした。

「プリーズ・プリーズ・プリーズ」(2024年 / 最高1位)
「エスプレッソ」(2024年 / 最高3位)
「フェザー」(2024年 / 最高21位)
「スキン」(2021年 / 最高48位)
「ナンセンス」(2023年 / 最高56位)

サブリナは、約10年前に米ディズニー・チャンネルで放送された『ガール・ミーツ・ワールド』に出演したことで俳優としてブレイクし、その後テレビ番組や映画にも出演して2020年にはブロードウェイ・ミュージカル『ミーン・ガールズ』で主演も務めている。

シンガーとしては、昨年の8月から11月に南米で開催されたテイラー・スウィフトの【The Eras Tour】でサポート・アクトを務め、今年の2月から3月にはオーストラリアとシンガポール公演でも再び共演し、知名度をさらに向上させた。

「プリーズ・プリーズ・プリーズ」は、サブリナ・カーペンター、エイミー・アレン、ジャック・アントノフの3者がソングライターとして制作した曲で、プロデュースはジャック・アントノフが単独で務めている。ソングライターとしてはサブリナが初、エイミー・アレンは2019年に2週間を記録したホールジーの「ウィズアウト・ミー」以来約5年ぶり、2曲目の首位を獲得した。

ジャック・アントノフは、ソングライター、プロデューサーとして「プリーズ・プリーズ・プリーズ」がどちらも7曲目の首位獲得で、ソングライターとして初めて1位を獲得したのは、自身が所属するポップ・バンド=ファン. の「ウィー・アー・ヤング feat. ジャネール・モネイ」(2012年 / 6週間)だった。

以降、テイラー・スウィフトの「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ」(2017年 / 3週)、「アンチ・ヒーロー」(2022~23年 / 8週)、「クルーエル・サマー」(2023年 / 2週)、「イズ・イット・オーヴァー・ナウ?(テイラーズ・ヴァージョン)」(2023年 / 1週)、「フォートナイト feat. ポスト・マローン」(2024年 / 2週)がソングライター、プロデューサーとして1位を獲得し、プロデューサーとしてはテイラーの「オール・トゥー・ウェル (テイラーズ・ヴァージョン)」(2021年 / 1週)も首位を獲得している。

「プリーズ・プリーズ・プリーズ」を輩出したレーベル<アイランド・レコード>としては、2019年8月31日付でトップに立ったショーン・メンデス&カミラ・カベロの「セニョリータ」以来、約5年ぶりの首位獲得曲で、2020年代では初のNo.1タイトルとなる。

タイトルに同じ単語だけが3つ並んだ曲としては以下に続く4曲目の首位獲得で、それ以外の単語が含まれるものとしては、KC&ザ・サンシャイン・バンドの「(シェイク!シェイク!シェイク!)シェイク・ユア・ブーティ」(1976年)とザ・バーズの「ターン・ターン・ターン(トゥ・エヴリシング・ゼア・イズ・ア・シーズン)」(1965年)がある。

サブリナ・カーペンター「プリーズ・プリーズ・プリーズ」(2024年)
B2K「Bump, Bump, Bump」(2003年)
デスティニーズ・チャイルド「ビルズ・ビルズ・ビルズ」(1999年)
ポール・マッカートニー&マイケル・ジャクソン「セイ・セイ・セイ」(1983年)

タイトルに「プリーズ(Please)」が含まれる曲としても以下に続く4曲目の首位獲得で、過去にはアーティスト名に同じ「カーペンター(ズ)」が含まれるメンバーのリチャードとカレン・カーペンターがいる。

サブリナ・カーペンター「プリーズ・プリーズ・プリーズ」(2024年)
K.C.&ザ・サンシャイン・バンド「プリーズ・ドント・ゴー」(1980年)
カーペンターズ「プリーズ・ミスター・ポストマン」(1975年)
マーヴェレッツ「プリーズ・ミスター・ポストマン」(1961年)

サブリナ・カーペンターの上昇により、初登場から先週まで5週連続で首位を獲得していたポスト・マローンの「アイ・ハッド・サム・ヘルプ feat. モーガン・ウォレン」は2位に順位を下げたが、カントリー・ソング・チャートでは6週目、2024年のソング・オブ・ザ・サマー・チャートでも4週目の首位を獲得した。

3位は、先週4位にランクインしていたシャブージーの「ア・バー・ソング(ティプシー)」が上昇し、再び最高位に到達。エアプレイは前週から23%増加の4,780万回に上昇し、今週最も伸びた曲に贈られるAirplay Gainerを獲得。デジタル・ソング・セールス・チャートでは20,000を売り上げて首位獲得週を6週目に更新した。

前述の「エスプレッソ」を4位に挟み、5位はトミー・リッチマンの「ミリオン・ダラー・ベイビー」が同位をキープ。R&Bソング・チャートで8週目、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートでは3週目の首位を獲得した。

ケンドリック・ラマーの「ノット・ライク・アス」も先週に続き6位にランクインして、ラップ・ソング・チャートでは通算6週目に首位獲得数を更新。セールスは前週から28%増加の4,000に上昇し、今週最も伸びた曲に贈られるSales Gainerを獲得した。

ホージアの「トゥー・スゥイート」も7位をキープして、エアプレイ・チャートでは7,350万回(4%増加)を記録して2週目の1位を獲得。ロック&オルタナティブ・ソング・チャートで11週目、ロック・ソング・チャートとオルタナティブ・ソング・チャートではそれぞれ12週目に首位獲得週を更新した。

ベンソン・ブーンの「ビューティフル・シングス」は先週の11位から8位に再びTOP10入りし、テディ・スウィムズの「ルーズ・コントロール」は10位から9位に上昇。先週9位にTOP10入りしたビリー・アイリッシュの「バーズ・オブ・ア・フェザー」は10位に順位を下げた。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは6月28日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「プリーズ・プリーズ・プリーズ」サブリナ・カーペンター
2位「アイ・ハッド・サム・ヘルプ」ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン
3位「ア・バー・ソング(ティプシー)」シャブージー
4位「エスプレッソ」サブリナ・カーペンター
5位「ミリオン・ダラー・ベイビー」トミー・リッチマン
6位「ノット・ライク・アス」ケンドリック・ラマー
7位「トゥー・スゥイート」ホージア
8位「ビューティフル・シングス」ベンソン・ブーン
9位「ルーズ・コントロール」テディ・スウィムズ
10位「バーズ・オブ・ア・フェザー」ビリー・アイリッシュ

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