千年前の古代ハスの種子が「復活」し開花 中国広西チワン族自治区

千年前の古代ハスの種子が「復活」し開花 中国広西チワン族自治区

種子の「復活」に成功し初めて開花した古代ハス。(南寧=新華社配信)

 【新華社南寧6月25日】中国広西チワン族自治区の南寧植物園(青秀山)で、千年前の古代ハスの種子が「復活」し初めて開花した。

 同植物園は地理的にも気候的にも水生植物の繁殖や活用に適しており、長年、ハスとスイレンの優良品種の導入や栽培、景観利用に取り組んでいる。2022年、植物園に古代ハスの種子3粒と古代ハスの子孫の種子8粒の寄贈があった。古代ハスの種子3粒は遼寧省大連市普蘭店区から出土し、放射性炭素年代測定法により約1200年前のものと判明した。青秀山管理委員会が組織、設立した広西亜熱帯園林植物研究センターは昨年5月、これら古代ハスの種子を「復活」させる試みを開始した。

千年前の古代ハスの種子が「復活」し開花 中国広西チワン族自治区

広西亜熱帯園林植物研究センターのチームが「復活」に取り組んだ古代ハス。(南寧=新華社配信)

 植物園はこのほど、独自に「復活」させた古代ハスと大連市普蘭店区の古代ハス研究所が「復活」させた古代ハスの子孫各1株を展示した。2株はいずれも今年5月、初めて開花したという。

 広西亜熱帯園林植物研究センターの研究者、韋妙琴(い・みょうきん)氏によると、古代ハスの種子の強い生命力の秘密は、生来備えている「密封ボックス(種皮)」にある。ハスの種子の種皮は、外側から上面表皮、柵状組織、厚壁組織、海綿状組織、下面表皮の順に構成されており、この構造により水や空気の浸入や漏れを防ぎ、種子の内部環境の安定性と生命を維持しつつ種子を「眠らせ」る。しかも泥炭層に埋もれた種子は、乾燥・低温・密閉という条件下に長期間置かれることで、千年の間、生命力を保つことができる。

千年前の古代ハスの種子が「復活」し開花 中国広西チワン族自治区

南寧植物園(青秀山)で展示された古代ハス2株。(南寧=新華社配信)

 関連する研究から、ハスは世界最古の双子葉類の一つで、1億年以上前には既に現在の形態で地球上に存在していたことが分かっている。韋氏は「現代の研究者は、古代ハスの種子を『復活』させることで、より古い時代のハスの形態について知ることができる」と語った。(記者/陳一帆、黄凱瑩)

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