返礼品ゴルフボールが人気 広島県大竹市、ふるさと納税2倍ににんまり 基準厳格化で競合減る

大竹市のふるさと納税返礼品として人気のゴルフボール

 広島県大竹市へのふるさと納税の寄付が2023年度、前年度の2倍近い9億8714万円に上り過去最高となった。選ばれた返礼品の大半がゴルフボールで、国の基準見直しに伴い返礼品に採用する自治体が減ったことが要因とみられる。市は国内のプロ選手の活躍などでゴルフ人気が続く中、競合する自治体が減り、さらなる増収を期待している。

 市は、三井・ダウポリケミカル大竹工場(東栄)で生産している樹脂が原材料に使われていることから、16年度にゴルフボールを返礼品として採用。その後、寄付額は急増し、15年度の23万円から21年度は6億2325万円、22年度は5億1578万円に上った。

 市産業振興課によると、10億円の大台に迫った23年度は、寄付額の7割超の約7億2700万円分の返礼品をゴルフボールが占め、22年度の5割弱から大幅な伸びを見せた。

 背景には、返礼品となる地場産品の基準に関する昨年6月の国の通知がある。「一般に流通している物品に単に当該地方団体等のロゴをプリントしただけのもの等は認めない」と明記。これによりゴルフボールを返礼品から外す自治体が相次ぎ、寄付者が流れてきたと同課はみる。

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