ヒラメの稚魚放流始まる 「常磐もの」大きく育て 福島県新地町の釣師浜漁港

ヒラメの稚魚を海に放流する漁師

 「常磐もの」のヒラメの稚魚放流が24日、福島県新地町の釣師浜漁港で始まった。7月26日まで福島県沖や漁港で約100万匹を海に放つ。

 県栽培漁業協会が相馬市の県水産資源研究所で育てた。釣師浜漁港に地元の漁師らが集まり、10センチほどの稚魚を岸壁から放流した。ヒラメは4年ほどで50センチ程度に成長するという。

 昨年に福島県沖で水揚げされたヒラメは846トンで、統計の残る1969(昭和44)年以降で最多となった。漁獲サイズの自主規制や稚魚の放流などが要因したとみられる。同協会の水野拓治理事長は「取り組みの成果が現れている。漁獲量を伸ばすため、放流を継続していきたい」と語った。

 ヒラメの稚魚の放流は1996(平成8)年に始まった。東日本大震災の津波の被害で大熊町の生育施設が全壊し、一時県外の施設を使って育てていた。現在は2019年に相馬市に再建された研究所で生産している。

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