護衛艦「なとり」進水 三菱長崎造船所 「もがみ」型9番艦

「なとり」と命名された護衛艦FFM=三菱重工業長崎造船所

 長崎市飽の浦町の三菱重工業長崎造船所で24日、海上自衛隊の多機能フリゲート艦(FFM、3900トン)9番艦の命名・進水式があり、「なとり」と名付けられた。
 艦名は宮城県仙台、名取両市を流れる名取川が由来。長崎造船所は大正期に旧海軍軽巡洋艦「名取」を造った縁があり、海自に同名の艦艇はなかった。各種装備を取り付ける艤装(ぎそう)などを経て、2026年度に防衛省へ引き渡す予定。
 全長133メートル。警戒監視や対潜戦、対空戦、対水上戦のほか、対機雷戦機能も併せ持つ。乗員約90人。10番艦と合わせた22年度予算の建造費は約1028億円。5、6番艦の20年度予算約943億円と比べ、資材費高騰を主因に増えた。
 立神第1ドックであった式には関係者約200人が出席。木原稔防衛相が支綱を切断すると船首のくす玉が割れ、花火や汽笛が鳴り響いた。
 FFMは1番艦もがみ(21年進水、22年就役)以降12隻が順次建造されている。このうち10隻を長崎造船所が担い、今後10~12番艦を建造する。さらに同省はこれより大きい次期FFM12隻を計画しているが、発注先は未定。

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