故人が“一服”?コメダ珈琲店の“コーヒーの香り”がする線香が誕生…お香にしてもOK!反響をカメヤマに聞いた

コーヒー好きだった故人が喜ぶかもしれない?

ろうそくや線香の製造・販売をする「カメヤマ株式会社」(大阪市)は5月1日、コーヒーの香りがする線香を発売した。それがコメダ珈琲店と共同で開発した「コメダ珈琲店 ミニ寸線香」だ。

コメダブレンドのコーヒーを抽出した後のコーヒー粉を原料に練り込んでいて、本格的なコーヒーの香りを楽しめるという。

燃焼時間が約19分の“ミニ寸線香”(普通サイズは燃焼時間が約25~30分)で、煙が少ないタイプとなっている。希望小売価格は1箱748円(税込)で、カメヤマローソクとコメダ珈琲それぞれの公式オンラインショップをはじめ、カメヤマの直営店や全国の仏具店、雑貨店などで購入することができる。

コーヒーの香りがお部屋いっぱいに!

仏壇に缶コーヒーをお供えする人も多いと思うが、合わせてこの線香をあげるのもよさそうだ。

さらに、お香としてもオススメできるそうで、コーヒーの香りでリラックスしたい人にもうれしいかもしれない。だが、どのような経緯で「コメダ珈琲店」の香りをとなったのか?

カメヤマ株式会社の広報担当者に話を聞いてみた。

ーーどのような経緯で「コメダ珈琲店」の線香が誕生したの?

コメダ珈琲店様のコーヒー愛好家が多くいらっしゃる中、是非コラボさせていただきたいと思っておりましたところ、コメダ珈琲店を好きでいてくださった今は亡き大切な人に「コメダのくつろぎをお届けしたい」というコメダ珈琲店様と思いが一致したことが、開発のきっかけとなりました。

また、コメダ珈琲店様はコメダブレンド抽出後のコーヒー粉のアップサイクルをされたいとの思いもありました。そのため抽出後のコーヒー粉を練り込んだ“コメダブレンドの香りがする線香”が誕生しました。

ーー製造にあたり、どんな所に苦労した?

コーヒーを抽出した粉を線香の原料にするところに時間がかかりました。コメダ様のコーヒーの香りに近づけることも苦労しました。

ーーこだわった部分は?

やはり、コメダブレンド抽出後のコーヒー粉を練り込んでいる点です。「お線香の煙はあの世の食べ物」と言われていますが、まさにコメダブレンドをあの世の大切な人に届けている、飲んでもらっている、そんな感覚になれるのが、こちらの「コメダ珈琲店 ミニ寸線香」です。

ーー現在の反響はどう?

売れ行きは好調です。「コーヒー好きだった父に」「お香に使ってみたい」というコメントの他に「自分のときに」「私の仏前はこれで」「私が死んだら…」などのコメントは想定外で、とても愛を感じました。

ーー実際に使用した感想を教えて。

コーヒーの良い香りが広がりますので、お香としても気軽に楽しんでいただきたいですし、リビングの香りをリセットされたいときにもオススメです。また、コメダ珈琲店担当者様のこだわりが詰まったパッケージデザインにも、是非注目していただきたいです。

「より深く故人を偲ぶ尊い時間を…」

本格的な香りなので社内でも「誰かがコーヒーを飲んでいるのかな?」と思う人がいたという「コメダ珈琲店 ミニ寸線香」。実はカメヤマローソクのコラボシリーズの1つ「故人の好物シリーズ」の線香として、新たに誕生した物だという。

「故人の好物シリーズ」とは一体なんなのか?どんな物があるのかなど、さらに聞いてみた。

ーーそもそも「故人の好物シリーズ」とは?

「先祖供養とは自分自身の生き方などを振り返る貴重な時間を提供して貰えるもの」だと思いますが、若い世代には馴染みが薄いと思います。そんな中、ただ普通の白いローソクではなく、故人のお好きだった食べ物や飲み物をかたどったローソクやお線香を御供え頂くことで、より深く故人を偲ぶ尊い時間をもって頂けるのではと、2009年“故人の好物シリーズ”が誕生しました。

もともとミニジョッキ(ビール型キャンドル)を販売しており、そこにワンカップ大関ローソク、緑茶キャンドル、お団子キャンドルなどが加わり、故人の好物キャンドルとして発売を始めました。なお、2015年「好物キャンドル」はグッドデザイン賞をいただきました。

2015年4月、供養用途だけにとどまらず、インセンスやお土産物としても使っていただきたいと「好物シリーズ」としてリニューアルいたしました。現在、好物線香は14種類あります。

ーーどのような物があるの?

好物シリーズのコラボ線香には、下記のような物を用意しております。
サクマドロップス ミニ寸線香:いちご、りんご、オレンジ、メロン4種の香り。
いちごみるく ミニ寸線香:甘いいちごみるくのような香り。
クッピーラムネ ミニ寸線香:クッピーラムネの爽やかな香り。
ワンカップ大関 ミニ寸線香:ほのかにふんわり日本酒の香り、大関様の日本酒が練り込んであります。
ミルキーの香りのミニ寸線香:ミルキーのような甘い香り、ペコちゃんの可愛いパッケージ。

他にも「ココアシガレット ミニ寸線香」「ミニコーラ ミニ寸線香」「井村屋あずきバー ミニ寸線香」「不二家ネクター ミニ寸線香」「ボンタンアメ ミニ寸線香」「北のかおりハッカ油 ミニ寸線香」などあります。

ーーコラボする物はどうやって選んでいる?

コラボ線香シリーズは、あの頃食べた懐かしい味を香りで再現いたしました。キャラメル・キャンディ系のお線香は、当初は幼いお子様にお仏壇に向かう習慣を身につけていただきやすいようにと開発しました。お子様も自分専用のお線香があれば楽しくお仏壇に向かうことができ、精神が発達する上でも、啓蒙にプラスの効果が期待できるのではと考えました。

しかし、現在では癒し、お部屋の芳香などインセンスとして、また、プレゼントとしてもご利用いただいております。モチーフの選定基準は、長きにわたり消費者に広く愛されてきたブランドであることです。

ーーどんな反響が届いているの?

キャンドルはロウが溶けて減っていく様子が、お線香は短くなって、本当に故人様が食べたり飲んだりしているようだ、コミュニケーションをとっているようだ、とお言葉をいただいています。

「こんなお線香あるんだよ、大好きだったよね」「この香りで故人を思い出します」という声や、お酒がお好きだった方へは「お酒好きには苦労したけどあちらで好きなだけ飲んでね」等と反響をいただいております。

また、御供えとして手向けるだけでなく、「パッケージが本物そっくりでかわいい」と贈り物にされる方や、甘いほのかな香りがいいとお部屋のフレグランス、癒し、お土産としてもご好評いただいています。

ーーその反響をどう思っている?

故人を思って手を合わせるときに溢れ出てくる思い出は特別なものではなく、何気ない日常の風景だったりします。「お酒が好きだったよね」「甘いものに目がなかったね」「この季節になると一緒にこれ食べたよね」など。そんな日常を切り取り、思いに寄り添って開発しているのが、コラボ線香シリーズ(好物キャンンドルシリーズ含め)です。

まだまだ世間には認知されていない商品のため、このように見つけていただき、大切な方へお供えいただいたというお声を聞くと感動いたします。そして、この商品たちがもっと多くの方々のもとに届いて、それぞれのストーリーとリンクして「やさしさ」「温かさ」が広がってくれたら、と胸をふくらませています。

あの世の大切な人に届けるだけでなく、思い出を振り返ったり、癒やされたりと、自分のためにも使える「故人の好物シリーズ」だという。まずは身近なコーヒーの香りからでも試してみるのはどうだろうか?

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