オードリー・ハライチ・佐久間Pは犠牲者か 『オド×ハラ』1年終了 コア視聴率1%台惨敗を招いたフジの劣化

若林正恭(オードリー)、澤部佑(ハライチ)(C)ピンズバNEWS

フジテレビのバラエティ番組『オドオド×ハラハラ』(木曜午後9時)が9月をもって終了することが明らかになった。番組の打ち切りは6月25日早朝のスポニチアネックスで報じられたもので、同番組は2023年6月の単発特番を経て、同年10月にレギュラー放送がスタートしたものの、わずか1年で幕を閉じることになった。

お笑いコンビ・オードリーの若林正恭(45)と春日俊彰(45)、ハライチの岩井勇気(37)と澤部佑(38)によるトークバラエティで、演出は元テレビ東京プロデューサーの佐久間宣行氏(48)が担当。佐久間氏がテレビ東京以外で初めてゴールデン帯のレギュラー番組を手掛けるとあって、放送前から注目度は高かった。

単発特番が放送された際には現在、テレビ各局が重視する13~49歳のコア視聴率で同時間帯トップに。そのヒットを受けてゴールデン帯でのレギュラー化が決まったが、当初から視聴率が伸び悩んだ。今年4月には木曜午後8時から9時枠に移動したが、同時間帯視聴率最下位になるなどやはり結果を出すことができなかった。

芸能プロ関係者は話す。

「今年2月に冠ラジオ番組『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)の東京ドームイベントを成功させるなど、カリスマ的人気を誇るオードリー。MCでもツッコミでも定評のある万能タイプの澤部さん、ラジオ番組やエッセイが好評でコアなファンを持つ岩井さんのハライチ、そして今をときめく大人気プロデューサーの佐久間さんをキャスティング――それが叶って、レギュラー化できた時点で、フジテレビサイドは“この番組はもう成功する”と考えていたようです。

ただ、内容に関しては詰められていなかったようです。当たり前ですが、そんな番組に視聴者はついてきませんよね。それにオードリーが好きな層はゴールデンの番組をリアルタイムで見るような人たちかと言えば、決してそうではないでしょう。

4月に午後8時から9時枠に移動しましたが、より遅い時間帯のほうが勝算があるという考えもあったのかもしれません。ただ、1時間後ろにいった程度では数字に大きな変化は起きなかった。6月20日のコア視聴率も1.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、即打ち切りレベルの数字でした」

番組終了を報じたスポニチの記事では、スタート当初はさまざまな企画に挑戦していたが、ここ最近はスターの豪邸訪問企画「芸能人自宅横断ウルトラクイズ」に頼る状態が続いており、視聴率も伸びなかったと言及しているが、X(旧ツイッター)には、

《オドハラ何で自宅クイズを軸にしちゃったんだろうな そうなる前は毎週観てた》
《自宅訪問とかオードリーやハライチじゃなくても出来るし》
《オドハラの自宅ロケもうお腹いっぱい。オードリーとハライチ集めてこれやってるのもったいない》

と批判的な意見が少なくない。

■『オド×ハラ』だけじゃない多数の低視聴率バラエティ番組

前出の芸能プロ関係者が続ける。

「終了することになった『オド×ハラ』の最近の企画『芸能人自宅横断ウルトラクイズ』は、フジテレビサイドが主導した企画だったといいます。“視聴者は有名人の豪邸見たいよね、数字が取れるはず”といった安直と言われても仕方がない発想からの企画スタートだったとも言われていますね」

オードリーは、前述したように2月18日に開催された「オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム」で5万3000人を動員。全国の映画館など201会場で行なわれたライブビューイングにも5万2000人を動員し、オンライン生配信で5万5000人が鑑賞と、計16万人を同時に魅了した。佐久間氏が手掛ける彼らの冠番組『あちこちオードリー』(テレビ東京)の話題性も高い。

昼の帯番組『ぽかぽか』(フジテレビ系)のMCに抜擢され、4月17日からは新番組『世界頂グルメ』(日本テレビ系)がスタートしたハライチ。澤部がMCを務める『世の中なんでもHOWマッチ いくらかわかる金?』(TBS系)も4月27日にスタートしたばかりだ。

佐久間氏はコアな人気を誇る『ゴッドタン』(テレビ東京系)などを手掛け、YouTubeチャンネル『佐久間宣行のNOBROCK TV』はチャンネル登録者数204万人。100万再生を超える動画を続々と世に放っている。

千鳥とタッグを組んだNetflixオリジナルの『トークサバイバー!〜トークが面白いと生き残れるドラマ〜』は2022年3月にシーズン1が配信されて国内ラインキング1位に。2023年10月にはシーズン2が配信され、シーズン3の制作も発表されている。さらに、さらば青春の光がメイン出演し、佐久間氏が企画総合プロデュースを手掛けたDMM TVで配信中の『インシデンツ』と『インシデンツ2』も好評だ。

「『オド×ハラ』が振るわなかったのは、エンタメ界で燦然と輝く彼らを上手く使えなかったフジテレビの問題だったのではないか、と多くの芸能関係者は見ていますよ。

フジのバラエティ番組は『新しいカギ』、『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』、『千鳥のクセスゴ!』、『千鳥の鬼レンチャン』以外は視聴率が取れていません。『オド×ハラ』以外でも、コア視聴率は1%台に沈む番組は多数あり、視聴者はゴールデン、プライム帯でフジテレビにチャンネルを合わせない感じになってしまっていますよね」(前同)

とんねるずの石橋貴明(62)は6月22日の『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』(フジテレビ系)の放送に先駆け、「朝日新聞と日刊スポーツを取ってるんですけど、『1週間の視聴率ベスト20』にこの何か月、フジテレビの番組が入ってない。旧フジテレビッ子としたら何をやっているんだ、フジテレビは……!」とコメントしていた。

「石橋さんが指摘していた通り、今のフジのバラエティ番組には勢いと元気がまったくありません。『ダウンタウンのごっつええ感じ』、『とんねるずのみなさんのおかげでした』、『めちゃ×2イケてるッ!』など、かつて隆盛を誇ったフジのバラエティですが、今や見る影もありません。

今回の『オド×ハラ』のわずか1年での終了に、オードリー、ハライチ、佐久間さんはフジの犠牲者、といった声も業界内では上がっていますが、やはり往時から考えたら格段にレベルが落ちてしまったフジバラエティのパワーダウンが大きく影響していそうですね……」(同)

後番組には別のバラエティ番組が検討されているというが、たった1年で終了することになった『オドオド×ハラハラ』のようにならなければいいが……。

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