マラソンが育んだ愛~の巻【あわラン】

着ぐるみを着た副キャプテン(中央右)がアオキング(中央左)を襲います。練習前からみんなハイテンションです=徳島市のとくぎんトモニアリーナ

 前回の記事でも書きましたが、悪性リンパ腫の抗がん剤治療が一段落ついたため、今月から本格的に練習を再開しています。とはいえ、治療中の約7カ月間ほとんど走れなかったブランクは大きく、少しずつ距離を伸ばしている状態。体重が7キロ以上も増え、スピードも上げられません。先は長いですが、故障しない程度に鍛えていこうと思っています。

 21日の金曜は、あわランで昨年7月に紹介したサウルス徳島練習会が徳島市の徳島中央公園で行われる日。仕事が終わり、午後7時半に集合場所のとくぎんトモニアリーナに行きました。練習会への参加は、3月のとくしまマラソンの直前にランナーの取材で訪れたのを除くと、実に約9カ月ぶりです。

 ん? なんか以前より参加者が多い気がするな。あれっ、白い着ぐるみを着た女性が。悪魔か、それとも天使か。よく見ると、副キャプテンの上田さんじゃないですか。人気キャラクター「ちいかわ」の格好で、刺股みたいな棒を振り回してはしゃいでいます。県内の市民ランナー界で「アオキング」と呼ばれている青木崇晃さんを刺股で攻撃! でもみんな楽しそう。

 しばらく参加していない間にコスプレ練習会になったのかな? そんなことを考えていると、キャプテンの高橋さんと、練習会の中心メンバーのつんこさんが参加者の前に並びました。

 「私たち結婚しました」。

 ええーっ!? そうだったの! 浦島太郞状態だったので全然知らなんだ。ま、仲良かったもんね。付き合っているのは雰囲気で分かっていましたよ。みんなが拍手で祝福する中、ちいかわ...もとい副キャプテンの上田さんが、2人にウエディング衣装姿の「カップルちいかわ人形」をプレゼント。だからそんな格好してたのね。

 他にも花束やプレゼントが贈られます。自宅で収穫した玄米30キロを個人的に持ってきたナイスガイも。意表を突いた贈り物に沸きました。大勢の祝福に感激したのか、新郎はうれし泣き。私も遅ればせながら結婚報告会の参加料...じゃない贈り物の費用の一部を負担させていただきました。

 舞い上がり気味で始まった練習会ですが、全員でアップをする時には真剣な表情になりました。私はリハビリ中なので、9カ月前のようにガチで走れません。1キロ当たり6分のペースで、7人ほどのグループでスタートします。

 走っていると、すぐ前に新婦の姿が。同じグループでした。幸せのオーラが漂っています。ジョギング中の会話も自然と結婚の話になりました。女性ランナー同士で盛り上がっています。50過ぎのおやじも興味津々です。

 新郎新婦はもともと知り合いだったのですが、2年前に岡山市で開催されたおかやまマラソンに2人とも当選。一緒に出場したのかきっかけとなり、急接近したのだとか。くぅーっ! マラソン婚ですか。いいねぇ。

 会話の中で、新婦は新郎のことを「キャプテン」と呼んでいます。おやじ、すかさず突っ込みました。「自宅でもそう言ってるの」。いつもは名前で「〇〇さん」と呼んでいるそうです。くぅーっ! 初々しくていいねぇ。

 練習会の参加者について、新婦がずっと気になっていたことがあった模様。キャプテンと付き合っていることを誰からも聞かれなかったのだとか。「みんな大人だなーって思った」と笑います。そーです! 大人なんです。みんな知ってたけど、聞くのはやぼというものです。もう結婚したので、いまになって突っ込んでますけどね。

 そんなこんなで、ハッピーな会話を続けているうちに、予定通り1周2.15キロの公園外周を4周走って終了。全員でストレッチをした後も、2人を囲んで会話が弾みました。みんな幸せな気分になったことでしょう。

 サウルス徳島練習会も2人も、末永く走り続けることを願っています。結婚おめでとう!。

結婚した2人(手前)に参加者がプレゼントを贈ります。玄米30キロの贈り物(右)には沸きました=徳島市のとくぎんトモニアリーナ
新郎新婦を囲んで記念撮影。笑顔が弾けます=徳島市のとくぎんトモニアリーナ

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