日産社長、今年度の販売計画達成に意欲 株価低迷を株主に謝罪

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Maki Shiraki

[東京 25日 ロイター] - 日産自動車の内田誠社長は25日の定時株主総会で、前年度未達だった世界販売計画について、2025年3月期は370万台の目標達成に意欲をみせた。また、株価が低迷していることなどを謝罪した。

内田社長は、中国での不振が24年3月期の販売計画未達の主要因だったと説明。現地の新興電気自動車メーカーが急速に力をつけてきたと述べ、「戦略の見直しを余儀なくされた」と振り返った。今年度は北米を中心に新車が寄与するとし、370万台の達成に向けて「頑張っていきたい」と語った。

24年3月期の世界販売は344万2000台。北米販売が前の年から約23%、欧州が17%、日本が6.5%それぞれ増える一方、中国は24%減少した。日産は今月21日、中国の生産能力を調整するため江蘇省常州市にある東風日産の常州工場の生産を停止したことを明らかにした。

総会では、PBR(株価純資産倍率)が直近で0.33倍と低迷する株価への不満が相次いだ。内田社長は謝罪した上で、中期経営計画を具現化し、株価や配当を引き上げることが「大きな経営課題」で覚悟を持って取り組むと話した。

3月に公正取引委員会から再発防止勧告を受けた下請け法違反については、経営責任を巡って事前に株主から多くの質問があり、内田社長取締役再任にも意見が寄せられた。内田社長は総会の前半で謝罪するとともに、社長直轄の新組織を6月に立ち上げるなどして再発防止に取り組んでいることや、台数変動に伴う取引先の経済的負担を軽減する措置も拡充するなど取引先支援について説明した。

内田社長ら12人の取締役選任案と剰余金処分案は可決された。

株主総会は報道陣に非公開だったが、ロイターは株主の許可を得て株主向けオンライン配信を視聴した。

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