アニメ『serial experiments lain』VRChat展に2.5万人来場 展示も続々追加

「プレゼント・デイ プレゼント・タイム HAHAHA……」

1998年の放送から25年以上経過してもなお、カルト的人気を有するアニメ『serial experiments lain(シリアルエクスペリメンツレイン)』。

劇中に登場した仮想世界「ワイヤード」をはじめ、現代にも通じるインターネット時代の人々の繋がりと、未来に起こるであろう社会問題を予見していた実験的アニメーション作品だ。

その不気味かつ不可思議な世界観を追体験できるオンライン展覧会「「Weird展 ようこそ、ワイヤードへ」」が、6月20日からVRChatで開催。25日までに、国内外から2.5万人を超えるユーザーが来場する盛況となっている。

“カルト的人気作”と呼ばれる『serial experiments lain』

『serial experiments lain』は、1998年にテレビ東京の深夜に放送されたTVアニメ。

いわゆるメディアミックス作品であり、雑誌連載・アニメ・ゲームなどで物語を同時進行・相互補完する実験的な試みが行われた。

「存在は認識=意識の接続によって定義され、人はみな繋がれている。記憶はただの記録にすぎない。」という世界観の元、主人公・岩倉玲音(いわくら れいん)に起こる様々な出来事や、未来を予期したような仮想と現実にまつわる物語が展開。

毎話冒頭で入る「プレゼント・デイ プレゼント・タイム HAHAHA……」という謎のセリフ、陰謀論や疑似科学、ナノテクノロジーなどを取り扱うなど、全体的にサイコホラーのような雰囲気を漂わせていた。

こうした独自の世界観や作風は観る人を選ぶ一方で、刺さる人には強烈なインパクトを与え、現在に至るまで根強い人気を誇る。“カルト的人気作品”と呼ばれることが多いのはこのためだ。

放送25周年記念「AI lain」に続く展開「Weird展」

『serial experiments lain』は2023年、放送25周年を記念して、AI技術を用いて玲音とビデオ通話を楽しむ対話型サービス「AI lain」を公開した。

ユーザーの言葉や問いかけに対し、玲音が声で答える同サービスは大きな反響を呼んだ。

今回開催される「Weird展 ようこそ、ワイヤードへ」は、「AI lain」に続く施策として開催。

VRChat上に設けられた展覧会会場のエントランスは、アニメのキャラクターデザイン原案を担当したイラストレーター・漫画家の安倍吉俊さんが手がけた。

ほかにも会場には、アニメ本編から厳選された不気味なシーンを集めた空間「不気味な通路」や、PCで構成された巨大な3Dオブジェクトのスクリーン「ディスプレイタワー」などが登場。

劇中に出てくる「通学路」も、不気味な影や電柱などと共に再現され、『serial experiments lain』の世界観を追体験できる。

6月24日20時には、新しく「玲音の部屋」も追加。7月1日(月)、7月8日(月)にも新展示が追加される。

アニメ『serial experiments lain』の視聴会、公式ツアーを開催

また、展覧会の開催を記念して、会期初日からVRChatの展示会場にて『serial experiments lain』のアニメを放送中。放送回は毎週月曜日に更新される(記事公開時点では4話〜6話)。

さらに、毎週金曜21時から、先着80名で公式ツアー及びアニメ視聴会を行っている。

6月21日の第1回に続き、今後は6月28日(金)、7月5日(金)、7月12日(金)の3週連続で実施する予定だ。

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