ラグビー日本代表戦で初、観客向けの託児所設置 届いた感謝の声「膝に座らせて観るのは難しい」

国立競技場で設置された一般観客向けの託児所【写真:山野邊佳穂】

国立競技場で新たな取り組み、子ども13人が利用

22日に開催されたラグビーの「リポビタンDチャレンジカップ2024」で、世界ランク12位の日本代表が同5位のイングランド代表と対戦した。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)が就任した新体制の初陣。会場となった国立競技場では、新たな取り組みとして一般観客向けの託児所が設置されていた。

4万4029人が詰めかけた新生エディージャパンの初陣。国立競技場では一般の観客が利用できる託児サービスが行われていた。ファンが楽しんでスポーツ観戦できるようにと、日本ラグビー協会の思いから始まった新しい取り組みだった。

この日は0~3歳の子ども13人が利用。競技場内にある個室を託児所として活用し、年齢ごとに2部屋に分けられた。保育士免許を持つスタッフが1部屋3人で対応。絵本や積み木、おままごとセットなどおもちゃのバリエーションも豊富に揃えた。ハーフタイム中には日本ラグビー協会公式マスコット「レンジー」が訪問するなど、子どもたちが楽しめる環境が整っていた。

これまでにはリーグワンなどで託児サービスを行ったことがあるが、日本ラグビー協会が主催する試合では初。10日正午にリリースを出し、同日午後8時から予約受付を開始すると、わずか20分で満員になった。

今回の運営を担った株式会社パソナフォスターの兼丸知香さんは「これまでに利用された方からは『肝心なシーンを見逃したりしていたので、預かってもらえて嬉しい』という声もあった」と話す。

利用者からは「子どもを膝の上に座らせて観るのは現実的に難しいと思い、悩んでいました。このようなサービスを今回実施してくれたことに感謝します」「子どもを連れて行って、『静かな場面で泣かれたらどうしよう』と思うと、『やっぱりやめようか』『親に預けようか』となってしまう。一緒に来られると写真も撮れて思い出にも残る」などと感謝の声が届いたという。

親と離れることを嫌がる子どももいるそうだが、時間が経てば友達と遊び出すケースが多い。兼丸さんは「そうした中で、子どもたちも社会性を培っていくと思う」とメリットも説明する。試合はイングランドが52-17で勝利。両国のプレーに何度も沸いた国立競技場で、ラグビー観戦の選択肢が広げられていた。

THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe

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