サムソンSDIの中国サプライヤーを訪ねて 中国甘粛省

サムソンSDIの中国サプライヤーを訪ねて 中国甘粛省

19日、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の電子顕微鏡写真。(金昌=新華社配信)

 【新華社蘭州6月25日】中国甘粛省金昌市にある金川集団の工場では現在、硫酸ニッケル、硫酸コバルトの入った反応容器が絶えず稼働し、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物が製造されている。製品は新エネルギー車やスマートフォン用バッテリーの三元系正極材の前駆体として、約20%が日本、韓国などの国に直接輸出されている。

サムソンSDIの中国サプライヤーを訪ねて 中国甘粛省

19日、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物製品。(金昌=新華社配信)

  同集団は中国最大、世界トップクラスのニッケル・コバルト生産拠点、白金族金属精製センターとなっており、2023年のニッケル生産量は世界第3位、コバルト生産量は世界第5位、白金族金属生産量はアジア首位だった。高純度ニッケル、高純度コバルトなど超高純度金属材料は半導体製造の鍵となる重要な材料で、従来は主に米国、日本など少数の先進国が独占していたが、同集団はすでに独自生産を実現している。

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19日、金川集団の工場に積まれたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物製品。(金昌=新華社配信)

  同集団傘下の蘭州金通儲能動力新材料(蘭州金通)は、ニッケル、コバルト資源を保有する市場でも数少ない企業の一つで、優れた技術、研究開発力、製品品質を有し、韓国電池大手、サムスンSDIの中国における主要サプライヤーの一つとなっている。

  日韓への輸出利便性をさらに高めるため、蘭州金通は18年に江蘇省南通市に生産拠点を設立、製品を生産した翌日には輸出港に運ぶことが可能となった。同社の蔣昱(しょう・いく)経理は、「サムスンから毎月注文があり、生産から納品までのサイクルはわずか半月となっており、同社への輸出額は毎月1億2千万元(1元=約22円)を維持している」と述べた。(記者/梁軍)

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