『海外旅行』行かなくてもSNSで見れば十分?Z世代の経験者は1割未満、興味がないが3割も…

『』から続く

急速に進む円安に物価高。この状況は、若者の旅行への意欲にも影響しているのでしょうか。

15歳~24歳のZ世代を対象にした海外に関する意識調査では、海外旅行に行った、あるいは行く予定があると答えたのは、全体の1割にも満たない結果に。

しかも、海外旅行に興味がない若者も3割近くに上ります。

若者が海外に行きたくない理由はというと、
▼経済的に厳しい
▼治安が不安
▼語学力が不安
▼漠然と不安
が主な理由でした(SHIBUYA109 lab.調べ)。

また、対象を大学生・短大・専門学校生に絞った場合、「経済的に厳しい」がもっとも高い割合でした。

若者が「経済的に厳しい」のは今も昔も…

若者が経済的に厳しいのは今に始まったことではなく、ずっと前から同じです。

ただ、昨今の歴史的な円安に物価上昇はあれど、昔と大きく異なるのは、格安航空、いわゆるLCCがあったり、宿泊予約サイトが充実していることでしょう。

例えば、東京(成田)―韓国(ソウル)で検索してみると、往復で2万3000円ほどでした。これは、東京―大阪間の新幹線の料金よりも安価です。

また、1週間ほどの滞在を考え、6泊分を宿泊サイトで予約しようとすると、
▼ホテルタイプの個室なら約2万5000円
▼ドミトリータイプなら約1万円
で見つけることができました。

そのほか、食費や現地交通費等が必要になるものの、1日あたり5000円とすると、6万円~9万円ほどで1週間滞在できる計算になります。

ある程度まとまったお金が必要になるものの、国内旅行とさほど変わらない金額ではないでしょうか。

ちなみに、航空券のセールを狙えば、もっと費用を抑えることも可能です。

海外の治安は?水は飲める?「海外安全ホームページ」の確認を…

日本で普通に暮らしていると、治安に不安を覚えることはそれほど多くはないはずです。

海外を旅行する場合、確かに治安の面を気にしなければいけませんが、まずは事前の情報収集が大事になります。

例えば、外務省の「海外安全ホームページ」の「国・地域別の海外安全情報」を確認すると、国や地域別に危険レベルが表示されています。

この危険情報は、渡航・滞在にあたって特に注意が必要と考えられる国・地域に発出される情報で、以下の4段階の危険レベルで表示されています。
レベル1 十分注意してください。
レベル2 不要不急の渡航は止めてください。
レベル3 渡航は止めてください。(渡航中止勧告)
レベル4 退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)

危険レベルの他にも、犯罪発生状況や交通情報、医療情報に加え「水道水が飲めるか否か」などの情報も確認することができます。

SNSで十分?実は、ネットでわからないことも多いかも…

SNSやインターネットの急速な普及により、昔よりはるかに海外を身近に感じられるようになりました。

インスタグラムやTiktok、X、youtubeなどでは、もはや検索すらしなくとも自動的におすすめが表示され、国内・海外問わず、様々な情報を得ることができます。

ただ、興味深いコンテンツが多くあふれているものの、そこに映っているにはあくまで一面です。

そこにいたるまでの経緯や事情などは、ほとんどの場合、付随していないことに注意する必要があります。

例えば、南米ボリビアにあるウユニ塩湖は、世界でも屈指の絶景がみられる観光スポットですが、標高が富士山と同じくらいあり高山病に注意が必要だったり、季節によってはその絶景がみられるポイントも限られるということは、実際に行ってみないとなかなか知ることがありません。

費用はかかるけど…最後は「勇気」?

そして、結局のところ、海外に行ってみると、改めて日本の“良さ”にも気づかされるものです。

コロナ禍を経て、歴史的な円安を背景にインバウンドが戻ってきた現在。

そもそも、日本人のパスポート保有率は約2割。愛媛県にいたってはわずか1割ほどです。

若者に限らず、アウトバンドはなかなか回復しそうにありません。

4月にあった愛媛県知事の定例会見で、中村知事は次のように述べています。

(愛媛県・中村知事)
「できれば早い時期に異文化とか異言語、どこでもいいですから行かれたら、視野が広がりますし、本当に後々の人生にも大きな影響を与えることになると思う」

実際に大学生に話を聞いてみると「今は海外は高いので。勇気もいるし、時間もないし」との声もありました。

国内旅行と比較してそれほど変わらない費用だったとしても、決して安くない費用はどうしてもかかってしまいますが、社会人になるとまとまった時間を取るのも難しくなります。

海外に興味があって「お金」や「時間」に目途がつくなら、最後は、一歩を踏み出す「勇気」が大事なのかもしれませんね。

© 株式会社あいテレビ