海外旅行より“お金”の増やし方?Z世代の海外旅行離れ 円安や物価上昇が原因?それとも、SNSで十分?

歴史的な円安に物価上昇が進む昨今、若者は海外旅行に行かない、興味がないと言われていますが、本当にそうなのでしょうか()。

15歳~24歳のZ世代を対象にした海外に関する意識調査では、海外旅行に行った、あるいは行く予定があると答えたのは、全体の1割にも満たない結果に。

しかも、海外旅行に興味がない若者も3割近くに上ります。

SNSやインターネットの普及で海外を身近に感じられる今、わざわざ海外に行かなくても良いと考える人も多いようです。

6月から韓国ソウル線が増便されるなど、インバウンドが好調な愛媛県内。韓国のLCCチェジュ航空が運航する松山ーソウル線が増便され1日2往復になりました。

松山空港の国際線はソウル(韓国)、プサン(韓国)、台北(台湾)と3つの路線で直行便が運航しています。

今年3月の松山空港国際線の利用状況を見てみると、松山ーソウル線は95.2%。今年に入り搭乗率は9割超えと好調を維持しています。

この日、松山空港に到着した2便とも満席でした。

一方で、アウトバウンド、出国する人はというと、海外に行く人はまだまだ少ない状況とのことです。

愛媛県航空政策室より、インバウンドとアウトバンドの旅行者の割合。
▼松山ーソウル(韓国)線 7:3
▼松山ープサン(韓国)線 9:1
▼松山ー台北(台湾)線 8:2

「やっぱお金もないんで」大学生の聞いてみると…

実際に若者の話を聞くため、向かったのは松山大学。

―――今まで海外旅行って言ったことありますか?
(松山大学・経済学部3年生)
「海外旅行はないですね」

―――行く機会がない、興味がない。どういう理由で?
(松山大学・経済学部3年生)
「興味あるんですが、やっぱお金もないんで。やっぱ行きたいってのあるんですけど。就職とか決まったら」

―――「お金の増やし方」の本見てるけど、何か参考になった?
(松山大学・経済学部3年生)
「まだ1ページしか読んでない(笑)」

また、英語英米文学科の3年生の大学生は…。

(松山大学・人文学部英語英米文学科3年生)
「英語の学科なので、留学に行きたいと思って入ったんですけど、今は海外は高いので…。助成制度を使っても1ヵ月で100万円必要。勇気もいるし、時間もないし」

―――大学生は忙しい?
(松山大学・人文学部英語英米文学科3年生)
「忙しい。バイトもして、趣味もあって、全然時間がない」

経済的に厳しい?時間がない?学生対象のセミナーも…

先ほどのZ世代の調査でも海外旅行に行かない理由として一番多かったのが経済的に厳しいということ。

さらに海外に不安を感じている人も多いようです。

そこで、海外旅行に興味を持ってもらおうと今月5日、学生を対象にした海外旅行セミナーが開催されました。

国内・海外旅行を取り扱う松山大学生協と県航空政策室、旅行大手のエイチ・アイ・エスが初めて開いたもので、中ではパスポートの取得方法や松山空港からどんな国に行けるのか、観光地やモデルコースなどを紹介。

「仕事で忙しくなって行けなくても」経験者と未経験者の声は…

学生による海外旅行経験談も披露されました。

松山大学生協によるとコロナ禍を経て少しずつ海外旅行の相談も増えているものの、昨年度、生協を利用して卒業旅行に海外を選んだのは1組だけだといいます。

セミナーに参加したこちらのグループは4人中3人が去年、大学のプログラムで初めての海外旅行を経験しました。

(シンガポール・マレーシアへ旅行した大学生)
「治安も良いし快適だった。日本よりフレンドリーでウェルカムな感じで楽しく過ごすことができた」

一方、海外旅行未経験の学生は…。

(海外旅行未経験の大学生)
「大人になったら仕事で忙しくなって行けなくても、学生の内だったら時間見つけて友達と行って思い出にもなる」
「自分の将来の経験の幅を広げることにもなるので行きたい」

韓国や台湾なら比較的安く行ける…?

学生に限らず円安の今、海外旅行は…と躊躇してしまう人も多いと思いますが、松山空港から行ける韓国や台湾は、比較的リーズナブルに1~2泊でも十分楽しめると言います。

(愛媛県 航空政策室・高木春菜さん)
「確かに国によってはホテルの代金がすごく高かったりする実情はあるが、台湾や韓国は屋台や夜市があるのでそこで食事を済ませるなら安く済むので、円安だからと思わずに、これぐらいの金額で行けるんだと色々調べて行ってほしい」

観光庁ではグローバル化の観点からも若者のアウトバウンド活性化をすすめていて、これまでパスポートの取得支援なども行っています。

また、愛媛県では、ソウル線午前便の増便によって、今までより滞在時間を確保できることや、世界的なハブ空港の仁川を経由することで、他の国へのアクセスの良さなどをPRするなど、アウトバウンドにも力を入れたいということでした。

『『海外旅行』行かなくてもSNSで見れば十分?Z世代の経験者は1割未満、興味がないが3割も…』へ続く

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