レイカーズの新指揮官レディック「最高のコーチになりたい。そして王座を勝ち取りたい」

◆■指揮官就任を熟考し始めたのは昨年5月のラプターズとの面談

6月25日(現地時間24日)。ロサンゼルス・レイカーズは、フランチャイズ史上29人目のヘッドコーチ(HC)にJJ・レディックが就任したと発表し、会見を行なった。

この日40歳の誕生日となったレディックは、名門デューク大学で4年間、2006-07から2020-21まで15シーズンをNBAでプレーしてきたシューティングガード。NBAではオーランド・マジックやロサンゼルス・クリッパーズ、フィラデルフィア・セブンティシクサーズなど計6チームに所属し、レギュラーシーズン通算940試合でキャリア平均25.5分12.8得点2.0リバウンド2.0アシストに3ポイントシュート成功率41.5パーセント(平均2.1本成功)をマーク。

2021年9月にNBA引退後、レディックは『ESPN』のNBAアナリストへ就任したほか、現役時代からポッドキャスト番組“The Old Man and the Three”で選手やコーチとのトーク番組を展開し、今年3月中旬からレブロン・ジェームズとのポッドキャスト番組“Mind the Game”もこなしていたが、NBAチームでコーチした経験はない。

現役時代は主にシューターとして活躍したレディック[写真]=Getty Images

それでも、バスケットボール運営部バイス・プレジデント兼ゼネラルマネージャー(GM)のロブ・ペリンカは「JJは競争心旺盛な競技者で、素晴らしいバスケットボールIQを持っており、選手を活発に、かつファンを興奮させる現代バスケットボールを分かっています」と期待を寄せている。

「ベテランのスタッフたちに囲まれ、選手個々を成長させて、チームのポテンシャルを最大限に発揮すべく、仕事をしていくことをうれしく思っています。家族と私は、人生の新たなチャプターをこれ以上なくうれしく思っており、活気あるロサンゼルスのコミュニティへ加わることを楽しみにしています」

会見でそう口にしていたレディックは、昨年5月にトロント・ラプターズの指揮官就任に向けた面談を受けて、HCになることを熟考するようになったという。

「昨年トロントとのインタビューを終えた後、自分はNBAでヘッドコーチになりたかったんだと確信しました。そして昨年、私はコーチ陣やGMたちと話すことに多くの時間を費やし、彼らの助言を求めてきました。…そこでこれが私のやることなんだと思いました」

ただ、レイカーズの指揮官就任によって、ポッドキャスト番組については「もうやらないでしょう。ポッドキャストは終わったのです」と発言。新たな仕事へフォーカスしていくことになる。

今シーズンのレイカーズは「NBAインシーズン・トーナメント」初代王者に輝いた一方で、「NBAプレーオフ2024」ではファーストラウンドでデンバー・ナゲッツに1勝4敗で敗れて敗退。

レブロン、ディアンジェロ・ラッセル、キャメロン・レディッシュ、ジャクソン・ヘイズは来シーズンの契約がプレーヤーオプションで、トーリアン・プリンスやスペンサー・ディンウィディーが制限なしFA(フリーエージェント)となるも、アンソニー・デイビスやオースティン・リーブス、八村塁、ジャレッド・バンダービルト、ゲイブ・ビンセント、クリスチャン・ウッドは契約下におり、今シーズンの主要メンバーを複数キープできる見込み。

NBAでコーチ経験がないこともあり、「なにか払拭したい誤解はあるか?」と聞かれたレディックは「それに対するいい答えはないですね。ものすごくどうでもいいことですので。私はレイカーズをコーチしたい。NBAで最高のコーチになりたい。そしてチャンピオンシップを勝ち取りたい。それにこのチームにいる選手たちのキャリアを最大化したい。それしか気にしていません」と言い放った。

レイカーズは世界的に見ても超有名なチームのため、ロスターやチーム状況がどうであれ、常に優勝が期待される。厳しい環境へ身を置くこととなったレディック新HCがどんなチームにしていくのか、今後の動向を楽しみに待ちたいところだ。

【動画】レディックのキャリアトップ10プレー集はこちら!

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