「やり切って笑顔で終わりたい」なでしこジャパン北川ひかる選手がパリ五輪へ…3トンの車を押して“一歩目”強化

パリオリンピックに出場するサッカー女子なでしこジャパンに選出されたINAC神戸所属で金沢市出身の北川ひかる選手。パリにかける思いを聞いた。

日本代表に選出

「ディフェンダー、熊谷紗希、清水梨紗、北川ひかる」。サッカー日本女子代表の池田太監督が選手名を読み上げ、パリオリンピックを戦うなでしこジャパンのメンバー18人が決定した。石川テレビは発表からわずか3時間後に北川選手を直撃。北川選手は「きょう発表があって、ホッとしています」と安堵していた。チャンスを掴んだのは2024年2月アジア最終予選の北朝鮮との2連戦だった。追加招集された北川選手は第2戦に左のウイングバックとしてスタメン出場。「追加で選ばれた代表の時から、自分も絶対にパリに行きたいという思いはあった」。

北川選手の持ち味は豊富な運動量を生かした積極的な攻撃参加だ。また左足から繰り出す精度の高いキックも特徴で、この日は何度も攻撃のチャンスを演出し、パリのメンバー入りへ強くアピールした。「ちょっと驚きはあったんですけど今の自分だったら呼ばれてもおかしくないというよりは、呼ばれたらやれるというのはあったのでそんなに緊張もなくやれました」と北川選手は振り返る。この活躍から代表に定着し、パリへのメンバー入りを勝ち取った。

パリに備えトレーニング

所属クラブのオフ期間に入った6月は、ふるさと金沢に戻りトレーニングに励んでいる。オリンピック前、重点的に取り組んでいるのは瞬発力の向上だ。ダッシュの1歩目を強化するために足を鍛えている。北川選手が押す車の重さは約3トンだ。世界と戦う「速さ」に磨きをかける。

トレーニングの合間に向かったのは北川選手の原点ともいえる場所だ。足元を見ると「スパイクです、ちゃんと。ガチでやれるように」と気合を入れていた。この日は小学生の頃に所属した菊川FCの練習に参加した。

中学からはエリート育成を目的とした福島のJFAアカデミーに進んだため、石川で過ごしたのは小学生まで。それでも、ふるさとに対しては、人一倍強い気持ちがある。「やっぱりこうやって地元には恩返しできたらいいなというのは、地元離れた時から思っていたので、それが今こういう形でできて嬉しいです」。

最後は笑顔で

地元の期待を背負って戦う北川選手がパリで目指す姿とはどんなものなのか。北川選手が色紙に書いたのは“笑顔で”という言葉だった。「結果的に笑って終わるというのが自分自身の目標でもあって、いい結果が出れば笑えますし笑顔にもなれますけど、もし悪い結果というかマイナスなことが起きても、悔いのないように、やり切って笑顔で終わりたいなっていう意味で。笑顔を届けられるように笑顔になってもらえるように頑張りたいと思います」。

(石川テレビ)

© FNNプライムオンライン