『今日好き ホアヒン編』3話ーー秒速告白から一瞬でただの友達に「最初、タイプだったのが悪い」

6月10日よりABEMAにて放送中の恋愛番組『今日、好きになりました。ホアヒン編』(以下:今日好き)。現役高校生たちが2泊3日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける同番組には、時に甘酸っぱく、思わず胸がキュンとするような青春と恋模様が溢れんばかりに詰まっている。

以下より、6月24日公開の3話から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。

・しょう×のの、秒速の恋は別れも秒速? 「オレが最初、タイプだったのが悪い」

『ホアヒン編』も2日目に突入。初日から、しょう(角田翔)がのの(徳永暖乃)に初対面ながら「ガチで、タイプですっ」と秒速告白をしたり、れん(藤井恋)×ひなの(瀬川陽菜乃)がこの世の幸せを凝縮した“カップ麺2ショット”をしたりと、現時点でもハイライトばかりな今回の旅だが、この日も朝から大事件が。

それが、しょう×ののによる2ショット。前述の「ガチで、タイプですっ」発言はどこへやら。しょうはすでに、ののではなく、自身と同じ“コミュ力最強”なりあ(米澤りあ)に意識を惹かれているほか、ののもまた、継続メンバーのそうま(阿部創馬)の存在が気になっているのは、視聴者もすでにご存知の通り。ふたりの2ショットもあれ以来となっているが、単刀直入にいえば、お互いがお互いを気になっていない現状。はたして、どんな会話がなされるのか。気になっていたところ……。

しょうが切り出した話題は、昨日の2ショットでのこと。件のタイプ告白が藪から棒だったことを謝ると、りあ、そしてもうひとりの気になる女子=みずき(北爪美月)との関係を明かし「今後はそのふたりを見ていきたい」と、自身の見据える未来に、目の前にいるののがいないことを遠回しに伝えようとする。この話の途中、徐々に風向きを察したのが、のの。“お? この流れは?”と言わんばかりの察しのよさが表情に滲み出ており、自身もまたそうまに意識を向けたいと、もはや相乗効果でも煽らんばかりに、このポジティブな波に乗ろうとする。見事、お互いにあくまで友人として健闘を称え合う流れを構築した。

結果、離散! 1話を振り返った当時こそ、最初からど直球にタイプだと告白した場合、どのような恋の結末を迎えるのか、今後の試金石にしたいという旨を記したが、今回の例でいえばなんとも呆気ないが、それでいて後腐れもない終わり方となった(これでもし、たとえばののの方に気持ちが残っていたとしたら、このあと2日間もなかなか地獄だったことだろう)。本人たちの言葉通り「いい終わり方」であり、しょうが初日にあれほど爽快な告白をしていたことで、彼の人柄が短時間で伝わり、結果としてこの2ショットもあまり時間を掛けずに着地点を見つけられたのではないかと、むしろ思えてしまうくらいだった。

面白かったのが、しょうが途中、「オレが最初、タイプだったのが悪い」と開き直っていたこと。あまりに身も蓋もない否定すぎるし、それはさすがに無理があるだろ。もうその段階での話はしょうがないだろ、と笑えてしまった。りあにはきっと、このあたりの言葉選びや感性が刺さるのだろう。

・ひなの、新たな旅でもカップル成立はほど遠く? 男女分かれたショッピングに

その後は、2組に分かれてのグループ行動に。グループ分けの方法は、男子メンバーによるビーチ相撲対決。勝者2人は気になる相手を誘って、ホアヒン最大のウォーターパークを楽しみ、残りのメンバーは、大型モールでショッピング&ラクダに乗れる動物園に向かうことが発表された。

今回注目したいのは、ショッピング組の方。メンバーはそれぞれ、男子がそうま、れん、じゅま(坂本ジェルー寿真)、女子がみずき、ひなの、のの。なんと、モール到着から間もなく、ひなのの提案で男子と女子が別行動することとなったのだ。男子組は全員とも、勝者のウォーターパーク組となったみあ(藤田みあ)の“待機組”であるため、そうまを慕うのの、れんを気にするひなのは、ライバルと差をつけるチャンスのはず。だが実は、このグループ行動の前に、まるで梅雨の時期のように雨雲が一気に、かつ1人の女子の“局地的”に押し寄せてきた空気になった瞬間があったのだ。

というのも、前述のビーチ相撲の決勝戦にて、れんとせな(黒木聖那)が決勝まで勝ち進んだときのこと。見事に勝利を収めた際に「誘いたい人いる?」との質問に、れんがみあの名前を即答で挙げたのだ。この勝負の結果は、れんが勝者のウォーターパーク組に参加していないことからわかる通りで、せなが体格差を活かして瞬殺。だが、れんによる件の回答と同時に、ひなのの表情が一気にこわばったのも、本当に“瞬間”の出来事だった。

さすがにこの後、ひなのは一人、号泣。やはり、れんがみあを誘ったことはもちろん、自身と迷うそぶりを見せなかったことが悔しかったという。最終的に負けてしまったのだから、あの場で誘いたい相手を事前発表しない未来があってもよかったわけだが、もう後の祭りである。れん×ひなのはどうしたって、同じグループでショッピングを楽しまなくてはならない。同じグループでうれしいはずだったのに、どうしてこんな展開に?

こうして、ショッピングモールでの男女別行動に繋がるのだが、過去の『今日好き』でも、メンバーの提案から同様の流れが発生したことはあるし、ひなのの涙を踏まえたうえで、そうしたネガティブな感情と今回の男女別での提案にすぐさま連続性を見出してしまうのも短絡的すぎるともいえる。きっと、この行動の真意を、みずき、ののがこの後、色々と明かしてくれることに期待したいが……。

ちなみに、れん×ひなのはこの後、乗馬、ならぬ乗ラクダ体験を一緒にするのだが、ひなのが努めて明るく振る舞う一方、れんが自身以外の女子と会話をすることを「研究? っていうか、喋ってみてどうかを決めたい」と、いまいち実態のない会話ではぐらかしていたあたり、想いのすれ違いやコントラストが刻まれているように思えた。両者とも、いまはどう転んでも辛い状況。この流れが、告白直前まで続いてしまうのだろう。なぜなら『今日好き』の恋は、加速度的に涙が多くなるものなのだから。

(文=一条皓太)

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