「我々も非常にジレンマがある…」いわき駅前火災からまもなく1カ月…思うように進まない復旧【福島県】

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5月、いわき駅前で起きた火災から26日で1か月です。飲食店が立ち並ぶ通りで、40以上の店舗が被害にあいました。駅前という立地もあって、一刻も早い復旧が求められていますが、思うようには進んでいないのが現状です。

立ち上る炎…火災が起きたのは5月26日の日曜日でした。飲食店などが並ぶいわき駅前の繁華街で発生し、40以上の店を焼きました。

■箕田竜也 記者リポート

「いわき市の火事現場に来ています。こちらを見てみますと、瓦礫が道路の半分ほどにまで飛び出していて、焼け跡からもこの火事の規模の大きさが窺えます」

火はおよそ11時間後に鎮火したものの、建物は焼け落ち、地域の復旧には相当な時間がかかると見込まれています。

今回の火災を受けていわき市は?

■いわき市 産業振興部荒木 学 産業チャレンジ課長(参事兼)

「我々も非常にジレンマがあるところなんですけれども、今回の災害は自然災害ではないというところで、なかなか公費による支援といった法的枠組みがないというところで…」

自然災害ではないことから、公費による解体の支援などができず、対応に苦しんでいるのです。

それでも…

■いわき市 産業振興部 荒木 学 産業チャレンジ課長(参事兼)

「5月31日にパンフレットはいち早く製作しまして、罹災の窓口に置いたというところです。6月4日にタスクフォースを設置させていただいた」

火災の後すぐ、税の減免措置や事業再開の金融制度などをまとめたパンフレットを作成。さらには、市長や商工会議所など、関係者が一丸となって復旧に取り組んでいこうと特別チームも結成しました。

■箕田竜也 記者リポート

「現場の瓦礫は片付いていませんが、このように歩行者が安全に通行することができるようにバリケードが設置されています。これは市などが設置したものです」

6月12日には歩行者の安全を守ろうと特別チームはバリケードを設置。ただ、一番の課題である資金面の具体的な支援策はないのが現状です。

■新蔦 鈴木 彰浩代表

Q.お店はどちら?「こちらでやってたんですけど、新蔦っていうおでん屋さんだったんです。2階にも(別の)お店があったんですけど、2階のお店も崩れて下に落ちてきてまして、中は真っ黒ですね。どれがどれだか全然わからない状況です」

火災現場で飲食店を営んでいた鈴木さん。およそ6年前に、前のオーナーから店を引継ぎました。

■新蔦 鈴木 彰浩代表

「私は店にはいなかった、家にいました。すぐ見に行こうかと思ったんですが、ちょっと入れなかったもので、しばらくしてからまた来て、今のこの状況になっていたっていう形ですね」

出火当時、現場周辺は消火活動などによる通行規制もあり、お店の確認に行くのが難しかったと言います。ようやく、店にたどり着いたころには、店は焼けて、崩れ落ちていました。がく然としたといいます。

■新蔦 鈴木 彰浩代表

「コロナで3年4年ずっと苦しい状態が続いていて、そして今回火事になってしまって。なかなかもう一度(店をやる)っていう部分では、お金の面で厳しい方がいっぱいいるんじゃないかなって、私自身もそうなんですけど」

資金面などを考えるとこの場所で、再びやり直すのは難しいと鈴木さんは考えています。

一方で…

■新蔦 鈴木 彰浩代表

「他の場所、良い場所があればもう一度やりたいなっていう気持ちは今は芽生えてますね」

常連さんからの励ましの声も多く、今は、市内の別の場所で店を再開できないか前向きに検討しています。

そのうえで、 鈴木さんが思うことは?

■新蔦 鈴木 彰浩代表

「融資を簡単にしてもらえるとかっていう部分で助けていただけるともう一度(店をやれる)っていう方が結構いるんじゃないかと私自身は思うんですが…」

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