“渋沢栄一”が1円玉より小さく!?「バズリはんこ屋」職人技がSNSで話題 無茶ぶりに意地で挑戦 超精密さに驚愕

島根・松江市にあるはんこ店の職人の技が、SNSをざわつかせている。以前「バズリはんこ屋」さんとして紹介したことがある店が新たにはんこに仕立てたのは、新一万円札の図柄に選ばれた「渋沢栄一」だ。

職人技をXで 知名度と売上アップ

島根・松江市の永江印祥堂では、印鑑の製造・販売を手がけており、その職人技をSNS「X」で発信し、多くの反響を呼んでいる。フォロワー数は5万6000を超え、地方の小さな企業の公式アカウントとしては異例の数だ。

投稿されているのは、小さなはんこの印面に87文字の会社紹介や、「寿限無」の108文字、さらには160文字の円周率など、1円玉より小さなスペースに驚異的な文字数を詰め込む驚愕の職人技だ。

相次ぐ「バズりポスト」効果で、知名度だけでなく売り上げアップにもつながり、オンラインの売り上げは約3.5倍になった。

永江印祥堂の公式Xの運用担当者である“中の人”は、広報などを担当する30代の女性社員だ。「バズらせたい」あまりに、ユニークすぎるはんこを職人に次々と“無茶ぶり”…ではなく“提案”し、絶妙なコメントを添えて投稿している。そんな永江印祥堂の公式Xが、新たにバズらせたはんこがある。

“渋沢栄一”を超精密に表現

はんこに彫られていたのは、7月3日から発行が始まる新一万円札の図柄、「日本資本主義の父」とも呼ばれる実業家である渋沢栄一だ。

“中の人”が「これから1万円札になる“渋沢栄一”さんが世の中で話題になっていたので、これだと思いまして…」と語ったはんこの大きさは、なんと「2mm×3mm」!1円玉よりも小さい直径12mmのはんこに、大きな余白を残している。

Xの“中の人”は、ニュースなどで渋沢栄一を見たことで思いついたという。新紙幣に採用され、「時の人」ともいえる渋沢栄一に目を付けるところが、これまで数々「バズらせ」できた“中の人”らしい。

「アイデアは熱いうちに」と、職人に“無茶ぶり”ではなく“お願い”してみたところ、「渋沢栄一!?」と聞き返されたと、“中の人”は笑いながら語った。

難題にもチャレンジ精神で応える職人

予想通りの展開だったが、それでも要望にしっかり応えるのが、この道20年以上のベテラン職人だ。

永江印祥堂の職人である村尾直樹さんは「またおもしろいチャレンジができるなと。弊社の技術力をアピールするためには、そういったチャレンジも必要だと思うので」と、むしろ挑戦することに燃えている様子だ。

渋沢栄一の故郷である埼玉・深谷市から使用許諾をもらって原画の権利もクリアし、Xへの投稿に万全の態勢を整えた。

職人の村尾さんは「絵になってくると、太い細いの強弱がすごかったりするので気を使った」と話すが、「神対応」で一夜ではんこを彫りあげたという。超精密な「渋沢栄一のはんこ」のポイントは“耳の部分”だといい、注目してほしいとのこと。

Xの“中の人”は、「渋沢栄一のはんこを職人にお願いしたときに、まさかこんなに小さい形になるとは正直思っていなくてびっくりしたが、それも職人の意地なんだろうなと。それも含めてちょっとおもしろくて」と話し、実物を見たときには「こんなに小さいの!?」と素直に笑えたという。

ちなみに、「渋沢栄一のはんこ」の購入希望の声は今のところ全くなく、当面は販売する予定はないという。

(TSKさんいん中央テレビ)

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