睦沢町長に田中氏が無投票再選 学校建設、防災力強化に意欲

田中憲一氏

 任期満了に伴う睦沢町長選が25日告示され、無所属で現職の田中憲一氏(56)=1期、自民推薦=の他に立候補の届け出がなく、無投票で再選が決まった。

 田中氏は同町上市場の事務所で報告会を開き、祝福に駆け付けた支援者を前に「この町に住んで良かったという笑顔を増やせるよう取り組んでいく。これからも皆さんにお力添えをいただき、2期目をしっかりやっていく」と決意を語った。

 田中氏は「町民の命と暮らしを守ることが私の仕事の1丁目1番地」と強調。自主防災組織の強化や、校舎が老朽化している睦沢中学校の建設に意欲を見せた。同町長選が無投票になったのは2016年以来8年ぶり。

 田中氏は午前11時ごろ、同町上市場の事務所で出陣式を開き、支援者の前で決意表明した。1期4年で町の財政運営を見直して借金を減らし、基金を積み立てたと説明。2期目は、学校の建設や自主防災組織の強化に取り組むと訴えた。

 自民党のほか、連合千葉からも推薦を取り付けて選挙に臨み、出陣式には国会議員や近隣の首長らが出席した。

 1日限りの選挙運動を終えて事務所に戻った田中氏は、午後5時半ごろから再選の報告会を開き、支援者と万歳三唱して喜びを分かち合った。「コロナで一歩を踏み出せない中で町政運営をした4年間だった」と1期目を振り返り、「町民の笑顔を一つでも増やせるよう努力していく」と引き続きの支援を求めた。

 報道陣の取材に応じた田中氏は、無投票での再選に「今日一日(町内各地を)回り、4年間やってきたことをしっかり評価してもらったからこそ無競争になったと感じた」と述べた。

 学校の建設は築年数が古い睦沢中学校から着手する考えで、まずは既存校舎の老朽化度合の調査から始める方針を示した。「(中学校は)防災の拠点にしないといけない。そこも並行して考えていく」とした。

 田中氏は町議3期を経て、20年の町長選で3選を目指す当時の現職を抑えて初当選した。

支援者と万歳して再選を喜ぶ田中氏(前列左)=25日午後6時ごろ、睦沢町上市場

© 株式会社千葉日報社