両陛下がまもなく歓迎行事と馬車パレードに 皇后さまはティアラ姿?晩餐会ファッションにも注目

イギリス訪問中の天皇皇后両陛下は、日本時間24日夜に日英友好団体主催のレセプションに出席し、25日にはチャールズ国王夫妻とともに馬車でのパレードや晩さん会に臨まれる。

26年前の1998年に上皇ご夫妻が訪問されて以来、国賓としてのイギリス訪問。当時行われたパレードでは太平洋戦争で旧日本軍の捕虜になった人などによる抗議活動もあったが、今回の歓迎パレードや晩さん会はどのようなものになるのか注目が集まる。

学生「信じられないくらい穏やかで礼儀正しかった」

イギリス訪問中の天皇陛下は、日本時間24日午後11時頃、日本とイギリスの友好団体が主催するレセプションに出席し、招かれた約400人の出席者に拍手で迎えられた。

歓迎の挨拶に続いて陛下がステージに上がり、「日英関係が、こうした人と人とのつながりという堅固な土台の上に、将来にわたって一層力強く発展していくことを期待しています」と英語で思いを述べられた。

このあと陛下は混み合う会場内を回り、「お元気そうですね」などと英語や日本語で声をかけながら出席者と歓談された。

陛下と話した学生は、「陛下はとても穏やかで威厳があり、話している間信じられないくらい穏やかで礼儀正しかった。お目にかかれて嬉しい」と振り返った。

国賓として、8日間にわたり、イギリスを公式訪問している天皇皇后両陛下。お二人はこれまでも、国際親善を目的に数々の国を訪問されてきた。

中でもイギリスは、両陛下がともに長い日々を過ごされた思い出深い場所で、陛下ご自身、長い間、お二人揃ってのイギリス訪問に強い思いをにじませてこられた。

前回の訪問は2001年5月で、陛下は当時、ご懐妊中だった皇后さまに見送られ、お一人で出発された。

その際、陛下は「今回は単身で来ることになりましたけれども、次回はぜひ2人で一緒に来ることができたらと思っております」と述べられた。

23年の時を経て叶ったお二人でのイギリス訪問。
最終日の28日には、お二人がかつて学んだオックスフォード大学をともに訪問される予定だ。

1985年の“案内役”をTV初インタビュー

イギリス留学中の1985年1月、陛下は現地のパブで行われた「新年会」に参加された。

当時、陛下の“案内役”を務めたスー・ハドソンさんが「英語か日本語どっちの方がいいですか?」と聞くと、陛下は「じゃあ日本語にしましょうか」「今日は楽しみにしておりました」と笑顔で返された場面があった。

この会を主催したのは、日本で英語を教えた経験のあるイギリス人らで作る「三浦按針会(あんじんかい)」。

当時、陛下の“案内役”を務めたスーさんが今回、テレビメディアのインタビューに初めて答えた。

「三浦按針会」元会長スー・ハドソンさん:
陛下はとてもとてもとても素敵な青年で、基本的にとてもシャイで礼儀正しくて、パーティーを楽しもうとしていたと思います」

陛下はその後も、夏祭りの盆踊りに飛び入り参加するなど、現地で行われた日本のイベントに積極的に加わり、交流を深められたという。

「三浦按針会」元会長スー・ハドソンさん:
天皇陛下は、(日英)両国を結びつける草の根の努力があることを認めてくださった。
(皇后さまと)思い出の場所を再訪し、楽しんでいただきたい。

1998年のパレードでは抗議活動も

両陛下は日本時間25日夕方、チャールズ国王夫妻とともに馬車のパレードや晩餐会など、国賓としての重要な行事に臨まれる。

国賓としての両陛下のイギリス訪問は、1998年に上皇ご夫妻が訪問されて以来。
当時行われたパレードでは、バッキンガム宮殿に向かう道中、上皇ご夫妻が乗られた馬車の列に背を向ける人々がいた。

太平洋戦争で旧日本軍の捕虜になった人などによる抗議活動だった。

この時から26年が経ち、再び行われる歓迎パレードはどのようなものになるのか。

がん治療中キャサリン妃は欠席か…現地からの最新情報

両陛下はバッキンガム宮殿につながる大通りで馬車に乗ってパレードされる予定で、24日にはそのリハーサルが行われた。パレードのコースでは、馬に乗った近衛兵や、両陛下が乗られる馬車がパレードの流れを確認。予行演習にも関わらず 沿道には多くの人が集まっていた。

青井キャスター:
イギリスを訪問中の天皇皇后両陛下はこの後、国賓としての歓迎式典や晩さん会に臨まれます。
一体、どんな晩さん会になるのでしょうか?ロンドンには宮﨑記者がいます。

宮﨑記者:
こちらロンドンはまもなく午前9時になるところです。早朝から強い日差しが出ていまして、きょうの日中の最高予想気温は30度。両陛下が到着して以降、ずっと晴天で夏のような陽気が続いていて、地元の方達からは「一年で一番季候の良い時期にいらしていただいて良かった」という声も聞かれました。

この後、両陛下はホテルまで迎えに来たウィリアム王子とともにホースガーズという広場を訪れ国王夫妻と対面し、歓迎式典が行われた後、日の丸とイギリスの国旗が掲げられたザ・マルと呼ばれるこの並木道を馬車でパレードされます。
馬車はこちらにあるバッキンガム宮殿の玄関に到着し、両陛下は国王夫妻とともに宮殿の中で贈り物の交換や、午餐会、そして夜になると国賓としてのメイン行事、晩さん会に臨まれます。
ここでは、国王のスピーチに続き、陛下は英語でおことばを述べられます。

晩さん会に関する情報はまだほとんどイギリス王室から明かされていないのですが、こちらでの報道ですと、王室の方達や首相など大体150人ほどが招待されるそうです。

がんで治療中のキャサリン妃についても今のところ情報はありませんが、晩さんは時間も長いですし負担の大きさを考えると出席しないのではないかと見られます。

席次についてもまだ発表されていませんが、26年前の上皇ご夫妻の訪問の際の晩餐会では、上皇さま・エリザベス女王・フィリップ殿下・美智子さま・当時のチャールズ皇太子、という順でした。イギリス王室の伝統にのっとった晩さん会ですので、同じように陛下、国王、カミラ王妃、皇后さまの順に並ばれるのではないかと思います。

側近によりますと、皇后さまはとても楽しみにされているそうですが、長旅の疲れなどもあり、今日の国賓としての重要行事に向け、イギリス入りしてからはホテルに留まり、体調を調整されています。

晩さん会のファッションとディナーメニューは?

どんな晩餐会になるのか気になるが、皇后・雅子さまのファッションも注目される。

日本時間の23日未明、天皇皇后両陛下が訪問先のイギリスに到着された時は、皇后さまはホワイトのヘチマカラーがアクセントになった爽やかな水色のスーツ姿で、陛下のネクタイも水色で、おなじみの「リンクコーデ」だった。

イギリスの国賓を招いた晩さん会のドレスコードは、通常、男性は、ホワイトタイ、宮廷服、正装で、これには民族衣装も含まれる。

女性は、舞踏会用のガウン、手袋、装飾品、適切な場合はティアラを着用するということだ。

陛下は国王から贈られるであろうガーター勲章という勲章を着用され、皇后さまはイブニングドレスに勲章とティアラを着用されるとみられる。

晩餐会で出されるディナーにも注目が集まる。

現地メディアの情報によると、イギリス産の食材を使ったディナーが振るわれ前菜(多くの場合、魚)に続いてメイン、デザート、最後に新鮮なフルーツなどフルコースが提供されるという。

過去の南アフリカの大統領を招いた晩さん会では南アフリカの国花を砂糖で作り、それを提供したという。

メニューはまだ明かされていないが、今回は日本の何かをアレンジしたものが出されるのだろうか。

宮﨑記者が事前に日本の大使館のシェフに取材したところ、国王はオーガニックフードなどにこだわりがあり、自身の農地なども所有していて週に何度かは肉や野菜を食べないベジタリアンメニューの食事をしているという。

バッキンガム宮殿のキッチンには、普段からベジタリアンフードなどもあるそうで、恐らく今回の晩餐会は、ベジタリアンメニューではないものの、オーガニックやサステイナビリティに配慮したものもあるかもしれないとのことだった。
(「イット!」 6月25日放送より)

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