シリーズ『命を守る・防災』 大雨の中・・・避難するときの注意点は【熊本】

特集はシリーズ『命を守る・防災』です。
先週は、大雨に備えて事前に避難ルートを確認する『防災まち歩き』についてお伝えしましたが、今回は実際に避難するときの注意点をまとめました。

【渕上 洋平 カメラマン】
「大雨の影響でしょうか。数百メートルにわたって道路が崩落しています」連日の大雨の影響で八代市では先週金曜日の未明、用水路沿いの道路が長さ約500メートルにわたって崩落しているのが見つかりました。

【近所の人】
「怖いですね。まさかこんなふうになるとは思わなかった。(車通りは)朝は割と多い」

幸いけが人はいませんでしたが、大雨の中、避難する際にはこういうリスクも頭に入れて行動しなければなりません。

【防災システム研究所 山村 武彦 所長】
「徒歩で避難する場合には早い段階で避難することが大事。

『明るいうちの念のため避難』が基本」こちらの映像は冠水した道を歩く実験。

【実験ノイズ】

「どれぐらい深いか分かりませんね。完全に足元が見えません」

濁った水の中では障害物に気付くことができません。

また、こちらは兵庫県佐用町にある農業用水路の写真。

2009年の大雨の際、冠水して足元が見えない中、避難しようとした住民がこの水路に落ちて流され、少なくとも6人が亡くなったといいます。

【防災システム研究所 山村 武彦 所長】
「冠水している所は、昼間でも夜間でも水が濁っていると足元に何があるか分からない。例えば側溝のふたが空いている場合もあったり、マンホールがずれていたりする場合もある」「道路が冠水した状態で避難するのは大変危険」

冠水した道路で大人のヒザくらいまで水に漬かっている場合は、大人でも歩くことが困難になります。

頑丈な建物の上の階に逃げる『垂直避難』を検討しましょう。

やむを得ず、冠水した道を歩いて避難する場合は…。

【防災システム研究所 山村武彦 所長】
「履く靴も、脱げないひも靴、スニーカーのようなものを選ぶ。長靴だと水が入ってしまうと歩けなくなってしまう可能性もある」

また、服装は長袖シャツと長ズボン、それに雨がっぱを着用しましょう。

【防災システム研究所 山村 武彦 所長】
「いろいろガラスとかトタンとか流れてくる可能性があるので半ズボンではなくて長ズボンを着用」両手が使えるように持ち物はリュックに入れましょう。水に濡れないように持ち物をポリ袋に入れてリュックにしまうのも大事なポイントですまた、足元を確認できるよう傘やつえなど長い棒状のものを用意しましょう」

【防災システム研究所 山村 武彦 所長】
「大雨が降る前に防災まち歩きをして危険箇所やどんなルートが安全なのか、確認しておくことも大事」道路が冠水する前にいかに避難を済ませるか、そのためにも今できる備えを家族で話し合いましょう。

【防災システム研究所 山村 武彦 所長】
「防災でとても大事なのは命とタイミング。命を守るために「今動かなければ」「今逃げなければ」というタイミングを逸しないようにすること。それは早め早めのタイミングを選ぶこと」

「命を守るために逃げるスイッチオン!」

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