【西武】薄氷の1―0勝利 渡辺監督代行は打線復調の感触「一時期の最悪な状態は脱している」

初回に「スミ1」となる先制ニ塁打を放った西武・岸潤一郎

西武は25日の日本ハム戦(ベルーナ)に1―0の零封勝ち。初回に岸潤一郎外野手(27)の適時打で挙げた虎の子の1点を5人の投手が守り抜き、実に14カードぶりのカード初戦白星を収めた。

試合後、渡辺久信監督代行(58)は「非常にタフなゲームになった。初回にチャンスを潰してからの得点というところで非常に効果的な得点だった。その後、チャンスを作りながらなかなか1本が出ず…」と試合展開を振り返った。

その上で「ただ一時期の最悪な、手も足も出ない状態というのはちょっと脱しているというか。チャンスメークというかチャンスは作れているので。あとはそのチャンスをいかに得点につなげるか、そういうところがこれから大事になってくると思う」と打線の状態に言及した。

試合を決めた4番・岸の仕事ぶりについては「初回は素晴らしかったですけど、その後がよろしくなかったというか、チャンスに打てなかった。いつも打てるわけではないですけど、そういうところで数多くチャンスを生かせるようになってくれば、本物の4番になってくるんじゃないかな」と、苦しいチーム状況の中で主軸を任せる岸への期待感を語った。

6回途中無失点で今季初勝利を挙げた渡辺勇太朗投手(23)については「ここのところ素晴らしい投球が続いているし、今日も要所、要所でいい球が来ていた。6回はマメができて皮がむけてしまった。その後は投げれる感じではなかった」と降板理由を語りながら「ピッチャーにとって1―0という展開は厳しい。その中でピンチでも冷静に踏ん張っているなと思って見ていた」と6年目右腕の大きな成長に目を細めていた。

渡辺勇が緊急降板した6回一死二塁のピンチを無失点で切り抜けたヤンについては「ここのところ四球を出しても抑えますし、今日も変化球で嫌なカウントになった後もしっかりスライダーでストライクが取れたというところで、彼の成長を感じます」と手応えを語った。

随所にピンチを背負いながら、5投手が相手打線をゼロにしのぎきっての勝利。渡辺代行は「久しぶりじゃないですかね、こう言う感じは。後ろのピッチャーがしっかり役割を果たしてくれて最後いいリズムで、締まった1―0という最高の試合になった。これから暑くなってきますけど、リリーフ陣も今日みたいな形でしっかりつないでいけば、勝つ確率も上がってくると思う。非常に今日は何かキッカケになってほしいゲームかなと思います」とコメント。浮上のキッカケとしたい勝ち方だった。

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