【中国】BYDが日本で「シール」発売、年末90店へ[車両]

BYDは、世界展開を進めるセダン「シール」を25日から日本で販売開始すると発表した。日本に投入する3車種目。販売店は年末までに90店へと増やす考えだ=25日、東京都

「新エネルギー車(NEV)」中国最大手の比亜迪(広東省深セン市、BYD)は25日、世界展開を進めるセダン「シール(中国名:海豹)」を同日から日本で販売開始すると発表した。BYDが日本に投入する3車種目の電気自動車(EV)。販売店は今年末までに90店へと増やし、日本での販売を伸ばしていく考えだ。

日本では後輪駆動と四輪駆動の2グレードを投入。価格は後輪駆動が528万円、四輪駆動が605万円だが、日本導入の記念特別価格として、合わせて限定1,000台でそれぞれ495万円と572万円で売り出す。現在審査中の政府の「クリーンエネルギー自動車(CEV)補助金」制度の適用を受ければさらに35万円下がり、後輪駆動は460万円、四輪駆動は537万円になるという。

販促活動の一環として、今月末から東京2カ所と名古屋、大阪、福岡で体験試乗のイベントを実施。福岡以外の会場は既に定員に達しており、手応えを感じているという。

BYDは23年1月に、日本投入の1車種目となるスポーツタイプ多目的車(SUV)の「ATTO3(アットスリー、中国名:元プラス)」を発売。9月には小型車「ドルフィン(中国名:海豚)」を売り出した。日本での受注台数は今年6月20日までの累計で2車種合わせて2,521台。ただ、足元では販売の勢いが落ちているという。

これについて、BYD日本法人のBYDオートジャパンの東福寺厚樹社長は「4月からの補助金減額と、シールの投入が予定より遅れたことが影響した」と説明。ただBYDのテクノロジーを結集したシールは「BYDの潮目を変えるフラッグシップモデル」だと強調し、これを足がかりに下半期(7~12月)は反転攻勢を進めていく考えを示した。

シールの販売台数目標は明らかにしなかったが、「まずは特別価格の対象となる1,000台を売りたい」と意気込んだ。

販売戦略を支えるため、全国の販売網も強化。BYDは現在、日本全国に55の販売店を持つが、今年末までに90店、25年末までには100店体制へと増やす。今後も毎年1車種以上の新型車を投入し、日本の輸入EV市場でトップの地位を確立していく考えだ。

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