【シンガポール】パンスク、日本の冷凍パンの販売本格始動[商業]

パンフォーユーは日本の冷凍パンを海外に届けるサービスの第1弾をシンガポールで開始した(同社提供)

冷凍パンの定期配達などを手がけるパンフォーユー(群馬県桐生市)は、13日から日本のパン店の商品を箱に詰めて届ける「パンスク・ボックス」サービスの提供をシンガポールで本格始動した。海外進出の第1弾となる。まず京都市のパン店の商品を届ける。20日には現地で店頭販売も開始した。

パンフォーユーは独自の冷凍技術やデジタルトランスフォーメーション(DX)を活用し、日本のパン店が抱える運営や販路拡大などの課題解決に取り組むスタートアップ。焼成済みの冷凍パンを自然解凍後にトースターで温めるだけで、焼きたてパンの食感を手軽に楽しめるサービスを提供。日本ではサブスクリプション(定期購入)サービス「パンスク」を通じ、冷凍パンを販売している。

日本のパン店が作る質の高いパンを国内外に発信する取り組みの一環として、シンガポールで今年1月に電子商取引(EC)などで試験販売を開始。群馬県、北海道、愛媛県のパン店の商品を届ける「パンスク・ボックス」として販売し、特に北海道の商品の売り上げが好調だった。購入者からは「訪日旅行で行ったことがある街のパン店だから食べてみたいと思った」との声が聞かれた。

知名度の高い街などに親和性を感じる傾向がみられたことから、本格始動の第1弾では観光地として人気の高い京都市のパン店の商品を届けるサービス「パンスク・ボックス京都」を開始。京都市北区に店を構える「ぱんとおかし コハルビヨリ」の商品を採用した。

1箱に「4種レーズンのシナモンロール」「ガーリックフランス パルミジャーノ」「フォカッチャ コーンとチーズ」など8個のパンを詰め、料金は65Sドル(約7,700円)。店頭販売は、繁華街オーチャードの商業施設「オーチャード・ポイント」内の食品・飲食店コーナー2階で行う。

シンガポールに進出したのは、海外ではまだ普及していない個人宅向け冷凍配送サービスがあることや、カフェ文化が浸透しており日常的にパンを食べる習慣があること、訪日旅行の経験者が多いことなどが背景にある。

パンフォーユーの広報担当者によると、当初は定期配達ではなくECで1回ごとに注文を受ける。将来的には定期便サービスも提供したい考えだ。今後はシンガポール以外のアジア地域で同様のサービスを展開することも視野に入れている。

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