ウクライナ、EU加盟交渉開始 戦時下で長期化予想

Andrew Gray

[ブリュッセル 25日 ロイター] - 欧州連合(EU)は25日、ウクライナと加盟交渉を開始した。ロシアの侵攻を受けているウクライナにとって政治的な後押しとなる。ただ、加盟には全27加盟国の承認が必要となり、長く厳しい交渉が予想される。

ウクライナのシュミハリ首相は、ルクセンブルクで開かれた会合にビデオ形式で参加し、「ウクライナにとってEUは価値観と故郷の象徴で、物理的な空間以上の意味を持つ」とし、加盟交渉の開始は歴史的な瞬間になると述べた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は「ウクライナは間違いなく正式なEU加盟国になると確信している」と対話アプリ「テレグラム」に投稿した。

EUはこの日のうちにウクライナの隣国で旧ソ連のモルドバとも加盟交渉を開始する見通し。両国がロシアの影響から脱却し、西側との統合に向かっていることを示す。

ただ、領土の一部がロシアに占領されている状態でウクライナがEUに加盟できるのかなど、現時点で明確に答えるのが難しい問題は多い。アナリストは、ウクライナやモルドバのほか、ジョージアなどにEUを拡大させるには、農業や経済開発への補助金から意思決定に至るまで、あらゆる面でEUの規則を抜本的に見直す必要があると指摘している。

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