日本人切りつけだけではない!中国で〝ビジネス愛国〟が蔓延 トイレに「靖国神社」の看板も

公園のトイレに「靖国神社」の看板を掲げる男(中国のSNS「微博」から)

中国江蘇省蘇州で24日に日本人の母子が刃物で切り付けられ負傷した事件で、現地の警察は25日、無職の中国人の男(52)を刑事拘留したと発表した。中国外務省の毛寧副報道局長は同日、定例記者会見で「警察は偶発的な事件だと判断している」と説明。在上海日本総領事館によると、日本人を標的にしたとの明確な情報はないという。

一方、中国では〝ビジネス愛国〟がまん延しているようだ。

今月1日、中国の動画配信サイト「ビリビリ」のアカウント名「鉄頭」という男が、靖国神社の入り口近くにある石柱によじのぼり、尿をかけ、赤いスプレーで英語で「トイレ」と落書きする動画を撮影し、中国のSNSで拡散した。日本の警察は器物損壊などの疑いで捜査しているが、男は帰国している。

この事件が外交問題に発展している中、中国広東省東莞市の公園内にあるトイレに「靖国神社」という看板が設置されていたことが分かった。

中国メディア・網易は24日、今月21日に公園のトイレの入り口に「靖国神社」と書かれた看板が設置され、ネットユーザーから当局に通報が寄せられていたと報じた。現場に駆けつけた当局者は公園の管理者に看板の撤去を命じ、現在は撤去されている。

なぜこのような反日行動が起きるのか。

中国人ジャーナリストの周来友氏は「このところ、中国では再起をかけた〝ビジネス愛国〟がまん延しています。靖国神社にペンキを塗った男もかつては〝正義系配信者〟として活動していましたが、再生回数の低迷から〝迷惑系配信者〟となり、最終的には〝愛国系配信者〟として犯罪行為に手を染めていったのです。今回の公園での出来事についても、客足が遠のき、話題作りのためにこうした行為に至ったことが指摘されています。子供も多く訪れる公園で起こった今回の事件。行き過ぎた愛国ビジネスはいずれ自らの首を絞めることになるでしょう」と指摘している。

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