貧すれば鈍すテレビ界の惨状…東野幸治が「定宿もう泊まれなく…」ランクダウン宣告を暴露

昔はイケイケドンドンだったが(C)日刊ゲンダイ

お笑いタレント東野幸治(56)が大阪のテレビ局から、10年間定宿にしているホテルについて「料金が上がるため、もう泊まれなくなる」と宣告されたらしい。レギュラー出演する番組の収録や生放送のため、前日入りするために使ってきたが、広告収入も減り、制作費もカット。そんななか、昨今の価格高騰で経費も出せなくなっていることが背景にあるようだ。

同じく吉本の今田耕司(58)は大阪で後輩芸人から「朝の番組で用意されていたおにぎりがなくなった」と聞かされ、驚いたと話している。いずれもフジテレビ系「ワイドナショー」で語り、話題になっている。

■バブル期はドンチャン騒ぎ

東野らは社会人ではバブル世代にあたり、豪華な打ち上げでドンチャン騒ぎをして、ハワイ旅行などの景品が乱れ飛んだ時代を経験しているのだろう。それだけに、打ち上げも飲み会も経験したことがないという若手スタッフがいる昨今のテレビ局事情、衰退ぶりには驚いているようだ。

「そうした打ち上げでは、食べ物や酒瓶の並ぶテーブルの中央に1万円札の札束が置かれていたと、某アイドルは証言しています。タクシー代なのか分からないけど、もってけ泥棒というような感じだったと。タクシー券が乱れ飛び、ハイヤーも当たり前のように使われていましたから、テーブルの1万円札は外部スタッフのためのものだったのかもしれませんね」とは、やはりバブル期を知る某芸能プロデューサー。

民放の凋落の筆頭格フジテレビも、イケイケドンドンであった。

「スポーツ紙の芸能担当で、フジテレビのアゴアシ出張で地方に行った時のこと。シティーホテルのツインルームがあてがわれ、シングルの間違いではと引率役の広報担当に確認したのですが、『フジテレビを舐めないでくださいよ』って返されて驚いたものです。今振り返ると、出張経費も青天井だったのかもしれませんね」と元スポーツ紙記者は言う。

■営業社員は外資系保険に転職

この当時、番組制作会社のスタッフも経費でキャバクラ豪遊が当たり前だったという。今もごく一部の社員はキャバクラで遊んでいるそうだが、前出の芸能プロデューサーはこう言う。

「最近は制作会社ディレクターらから、転職相談の電話をもらうことが増えました。紹介したのに、面接に行かず音信不通の人もいて、かなり病んでいると思われます。フジテレビは、それなりに功績のある社員に退職金を1億円払ってでも、人員削減モードに入っています。社員の給料が下がっているので、アナウンサーもフリーランスになり、営業社員は外資系保険会社などに転職を希望するのが流れになっていますね」

さる広告プロデューサーが話をこう引き継ぐ。

「民放各社は売り上げ減だけど配信収入もあり、まだ黒字。これまでのコンテンツが強みで、新作ドラマよりも売れる。ただ、利益確保に走るあまり、しわよせが制作会社やタレントに及んでいる。気位の高かった大手の制作会社も、企業からのタイアップと言えば食いついてくる。昔はこちらから制作会社にお願いに上がったものだけど、今は大手もタイアップ探しに熱心で、メールとかでタイアップやらせてくださいとガンガン売り込んでくる。テレビ局は、コマーシャル枠以外の制作枠など、タイアップでお金をもらうことは放送法で禁じられてるはずですけどね。旅番組も、その地域を持ち上げている内容ならば、まずタイアップとみて間違いない。親方の総務省はあまりの惨状ぶりから見て見ぬふりをしているのでしょうか」

貧すれば鈍す──。

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