【悪質】認知症の高齢者狙い“アポ電”…不動産を購入額の10倍で契約させる アジトから9万人分の「高齢者名簿」も押収

認知症の80代女性に不動産の共同所有を持ちかけ3400万円詐取した疑いで再逮捕された4人は、不動産を購入時の10倍以上の金額で女性に契約させていた。

さらに、アジトからは高齢者約9万人の名簿などが押収されていて、警視庁は、認知症高齢者から8億円近くをだまし取った可能性があるとみて捜査している。

神奈川のアパートの部屋を3400万円で…

山崎和馬容疑者(41)と今井祐太容疑者(33)ら4人は、80代の認知症の女性に神奈川県のアパートの部屋の共同所有を持ちかけて3400万円をだまし取った疑いで再逮捕された。

自分たちが部屋を購入した際の10倍以上の金額で女性に契約させていたという。

約9万人の高齢者の名簿などが押収されていて、警視庁は、認知症の高齢者を狙った「アポ電」の手口で8億円近くをだまし取った可能性があるとみて調べている。

容疑者が出入金可能な口座を…

認知症の高齢者を狙った卑劣な犯行で再逮捕されたのは、山崎和馬容疑者と今井祐太容疑者、大川史郎容疑者、毒島司容疑者の4人。

男らのアジトからは、主に首都圏在住で80歳以上の約9万人の高齢者名簿と電話マニュアルが押収された。

男らは、これらを使い高齢者に電話をしていた。いわゆる「アポ電」のような手口で、資産状況や1人暮らしかどうか、さらに認知機能などを確認していたという。

そして実行役は、不動産の共同所有を持ちかけ、約300万円で購入したアパートの1室を、認知症の高齢女性に10倍以上の3400万円で契約させた。

その後、「口座を作りましょう」と促し、男らのスマホを使って口座を開設させた。

この口座は男らが金の出し入れが出来るように手続きしていたため、この口座を悪用して、女性から3400万円を詐取したという。

警視庁によると、被害は2022年からの約1年間で約8億円にものぼる可能性があるとみて調べている。

全国には400万人以上の認知症患者がいると言われている。さらには独居高齢者も多くいて、高齢者個人個人が対策を打つのには限界があることを踏まえると、金融機関などの制度的対策も重要なのかもしれない。
(「イット!」 6月25日放送より)

© FNNプライムオンライン