満員電車で携帯扇風機は危険 髪の毛が吸い込まれる例も 消費者庁が適切な使用を呼びかけ

子どもの使用も増えている携帯扇風機(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

屋外でも手軽に涼がとれる携帯扇風機。気温の上昇とともに、街中などで利用する人を多く見かけるようになりました。そうしたなか、「消費者庁 子どもを事故から守る!」の公式X(ツイッター)アカウント(@caa_kodomo)が、携帯扇風機を使用するときの周囲への安全配慮について注意を呼びかけています。

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「危うく大きな事故につながる可能性が」

「携帯用扇風機の扱いにご留意を!」

そんな書き出しの投稿には、1枚のイラストが添えられています。混雑した電車の中で、首の後ろに携帯扇風機の風をあてて涼むポニーテールの女性。そのすぐ後ろには、ロングヘアの女性がいて、髪の毛が携帯扇風機に巻き込まれてしまい、慌てているようです。

このイラストは、実際に消費者庁に寄せられた「携帯用扇風機の使用時に、危うく大きな事故につながる可能性があった情報」をもとに描かれたようで、注意喚起もまとめています。

○周囲を確認した上で使用
○衝撃を与えない
○充電しながら使用可能かを確認

こうしたポイントに加え、さらに、「とくに、子どもに手渡す際は、スイッチを切るなど気をつけて!」と注意を促しています。また消費者庁のウェブサイトには、「一歩間違えると大きなけがや火災につながる可能性があります」という事例が紹介されています。

皮膚が柔らかい未就学児はとくに注意を

また、消費者庁のウェブサイトには、「一歩間違えると大きなけがや火災につながる可能性があります」という事例が紹介されています。

・満員電車で携帯扇風機を使っている人の近くにいたところ、髪の毛が吸い込まれる形で引っ張られた
・携帯用扇風機を使用中、床に落とした。回り続けていたので、引き続き使っていたところ、数分後に煙が出て焦げ臭くなり、破裂音がした
・パソコンのUSBケーブルに接続し、充電しながら机の上で使用していた携帯用扇風機から焦げ臭いにおいがしたため、電源を切った
・1歳の子どもにスイッチの入った状態のハンディファンを渡したところ、子どもがそのハンディファンを舐めて唇を切ってしまった

使い方を間違えると、火災などの事故につながる可能性も。周囲への配慮はもちろん、子どもが使用するときも注意が必要です。

回転しているファンに直接、触れることがないようガードはついていますが、万全ではありません。とくに危険を理解できないほど幼い子どもは、手など体の部位も小さいことから、隙間に入ってしまうことも考えられます。

同サイトでは、「とくに皮膚が柔らかい未就学児の場合、羽根に巻き込まれると大きなけがにつながる可能性がある」とし、手渡すときは、スイッチを切って、ファンが動いていないことを確認してからにするよう呼びかけています。

また、携帯扇風機を首から下げていたことで、思わぬ窒息事故を招くことも。防ぐためにも、ネックストラップははずしたほうがいいでしょう。

身近な便利グッズの危険性に、引用リポストでは「これは本当に気をつけたほうがいい」のコメントとともに、娘さんの髪が近くに座った人のファン付き作業着に巻き込まれたという体験談も寄せられています。

熱中症対策などに利用する人も多い携帯扇風機。体の不調を防ぐために使うものだからこそ、けがや事故を引き起こすことのないよう、安全に活用したいですね。

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