カナダ5月CPIが予想外の加速、7月追加利下げ観測は後退

Promit Mukherjee Ismail Shakil

[オタワ 25日 ロイター] - カナダでは年初から消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率がほぼ一貫して減速してきたが、25日発表の5月分は予想外の加速に転じ、市場ではカナダ銀行(中央銀行)による7月の追加利下げ観測が後退した。

カナダ統計局が発表した5月のCPI前年比上昇率は、4月の2.7%から2.9%に伸びが高まった。また中銀が注視するコアCPI上昇率も、5カ月ぶりに上振れた。

今月の会合で4年ぶりの利下げを決めた中銀は、この先の緩和ペースはデータに左右されると繰り返しており、5月のCPI加速で早期の追加利下げの可能性は遠のいた形だ。

短期金融市場が見込む7月の利下げ確率は、24日時点の70%超から45%まで切り下がっている。

BMOキャピタル・マーケッツのチーフエコノミスト、ダグラス・ポーター氏は5月のCPIについて「中銀が見たかった内容でないのは間違いなく、7月の追加利下げ確率をはっきりと低下させる」と述べ、次の利下げは9月の公算が大きいと付け加えた。

コーペイのチーフ市場ストラテジスト、カール・スチャモッタ氏も、中銀はかなり慎重になるので次回利下げは9月になると予想し、これは米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始時期とも一致するとみている。

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