トランプ氏の機密文書保管は「場当たり的」 検察が写真公開し反論

家宅捜索を行った当時の機密文書の保管状況を撮影した写真/Department of Justice

(CNN) トランプ前米大統領が機密文書を持ち出したとして起訴された事件に絡み、検察側は24日、トランプ氏の私邸で行われた捜査で機密文書は乱雑に保管された状態で見つかったなどと詳細を明らかにした。トランプ氏側は箱に入っていた書類の順序が押収時と異なっていたことを問題視していた。

検察側はこれまで公開されていなかった複数の画像とともに30ページにわたる文書で、連邦捜査局(FBI)による捜査時の状況を詳しく説明。「トランプ氏は最も機密性の高い情報を含む文書を、新聞や礼状、クリスマスの飾り、雑誌、衣服、写真などと共に段ボール箱に保管していた」とした。

また、捜査官らは箱から中身が床に散らばった状態も目にしたと指摘し、捜査官やトランプ氏の側近で共に起訴されているウォルト・ナウタ氏らによって撮影された現場写真も添えた。

トランプ氏の自宅「マール・ア・ラーゴ」での機密文書の押収に関しては、押収後に箱の中で文書の一部の順序が入れ替わったことを検察側が認めた。これを受けてトランプ氏の弁護団は、新聞などと一緒に保管されていたことなどを考えると、文書の順序が変わったことは機密文書がそれぞれの箱に入れられた時期についての弁護に影響を及ぼすと主張していた。

事件の捜査を主導したスミス特別検察官のチームは、「トランプ氏は場当たり的に保管していたにもかかわらず、中身の正確な順序が弁護にとって重要だったと主張している」と皮肉った。

検察側はまた、書類が見つかった箱はそれぞれ完全な状態で維持されており、「何一つ失われておらず、ましてや破壊されているものはない」とした。

トランプ氏の弁護団は、FBIが押収方法について問題があることをずいぶん前から把握していたことが内部の電子メールからうかがえると主張していた。この点について検察側は、電子メールは実際には、2022年8月の捜索後に新たに機密文書が見つかったことについて懸念していたと明らかにし、トランプ氏側の主張を退けた。

検察側はまた、文書は個人的なもので、機密解除したというトランプ氏の発言は、トランプ氏が箱の中身について知らなかったことを証明するのに文書の順序が役立つという弁護団の主張と矛盾するとも指摘した。

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