ガザ、深刻な食料危機リスク続く 北部はやや改善=国連

Aidan Lewis

[カイロ 25日 ロイター] - イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦争が続くパレスチナ自治区ガザでは支援へのアクセスが限られているため飢餓の危険が高い状況が続いているが、北部地域では支援物資が届き、予想された極度の食料危機の拡大は抑制されている。25日に発表された国連の「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」報告書で分かった。

最も深刻なレベルである「壊滅的な」食料不安に直面している人の数はガザ全体で49万5000人超と、3カ月前の前回更新時に予想された110万人は下回ったものの、なおガザ人口の20%を超えている。

「壊滅的な」食料不安は、家庭で食料が極度に不足し、小児の急性栄養失調、差し迫った飢餓の危険、死亡につながる状況。

IPCによると、調査対象となったガザの家計の半数以上が食料を買うために衣服を売らなければならず、3割がゴミを集めて売っていた。また、20%以上が何日も何も食べずに過ごしたと回答した。

3月と4月に行われた食料と栄養補給サービスの提供で、IPCが食料危機の可能性を予想していた北部では状況の深刻さが軽減されたとみられている。しかし、最南部ラファ周辺で5月初めに始まったイスラエルによる攻撃や避難により、ここ数週間は再び状況が悪化しているという。

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