防げ!!SNS型詐欺 啓発バナー広告 被害防止に効果 SNS型投資詐欺、ロマンス詐欺 福島民報社と福島県警連携

 著名人らが関与する投資サイトをかたり虚偽の投資話を信じ込ませる「SNS(交流サイト)型投資詐欺」、SNS上のやりとりで恋愛感情を抱かせ支援金名目や投資話で金銭をだまし取る「SNS型ロマンス詐欺」の5月17日から1カ月間の被害は計2276万円で、今年1~4月の1カ月平均被害額1億183万円の約5分の1に抑制されたことが福島県警本部の集計で分かった。相次ぐ被害を受け、福島民報社は県警本部と連携し5月17日から、県内のスマホ利用者の端末などに啓発用バナー広告の掲示を始めた。県警は広告掲示で一定の効果が出たとみている。

 SNS型の投資詐欺とロマンス詐欺の認知件数と被害額の推移は【グラフ】の通り。バナー広告を開始した5月17日の前後で被害状況を比較すると、5月1~16日は投資詐欺5831万円(7件)、ロマンス詐欺310万円(1件)だったのに対し、17日~31日は投資詐欺1260万円(4件)で、ロマンス詐欺は確認されなかった。5月17日から6月16日までの1カ月間の投資詐欺被害は2066万円(7件)、ロマンス詐欺被害は210万円(1件)だった。

 実業家やジャーナリストら著名人の画像を無断で使用した投資詐欺広告が社会問題化し、全国で被害が右肩上がりで急増している中、県内は減少傾向にある。県警は「スマホなどに直接、注意喚起する手法によって、被害額が大きく膨らむ前に詐欺だと気付く一因になっている可能性がある」(生活安全企画課)と分析している。

 啓発キャンペーンは7月中旬まで、位置情報連動型スマホ広告サービス「ロカドプラス」をはじめ、インスタグラムとLINE(ライン)の両SNSを活用し、スマホ端末などに「投資に興味がある方に見てほしい」「出会いを求めるあなたに見てほしい」などと詐欺広告に似せたバナー広告を表示。クリックすると詐欺の手口、被害対策、被害状況などをまとめた特設ホームページに誘導される。ヒヤリとしたり、ハッとしたりする効果で詐欺被害の未然防止、早期発見を狙っている。

 警察庁によると、1~4月に全国の警察が認知したSNS型の投資詐欺被害は約334億3千万円(前年同期比294億6千万円増)に上り、ロマンス詐欺被害は84億1千万円(同40億5千万円増)。

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