アサンジ氏、自由の身に 機密暴露で罪認め豪へ帰国の途

Minwoo Park

[サイパン(北マリアナ諸島) 26日 ロイター] - 内部告発サイト「ウィキリークス」創設者ジュリアン・アサンジ被告(52)は26日、米自治領北マリアナ諸島サイパンの連邦地裁に出廷し、米スパイ活動法違反の罪を認めた。その後釈放され、母国オーストラリアに向かった。

アサンジ被告は法廷で、米国の機密文書を入手し開示しようと共謀した罪状1件について罪を認めたが、言論の自由を保障する米憲法修正第1条によって自身の行為は保護されていると信じていたと述べた。

「ジャーナリストとして働いていた私は、機密扱いの情報を公表するため、情報源に情報提供を働きかけた」とし、「その行為は憲法修正第1条で保護されていると信じていたが、スパイ法違反であったことを認める」と述べた。

判事は被告の有罪答弁を受け入れ、英国の刑務所で収監されていた期間を考慮して釈放した。

連邦地裁に提出された書類によると、アサンジ被告は米国の国防に関する機密文書の入手・暴露で共謀した1件の罪について有罪を認める司法取引で米検察当局と合意していた。

米検察はアサンジ被告が米本土への渡航に反対したことや、オーストラリアに近いことから北マリアナ諸島が選ばれたとしている。

アサンジ氏の米弁護士バリー・ポラック氏は記者団に「われわれはアサンジ氏がスパイ活動法の下で起訴されるべきでなく、ジャーナリストが日々行う活動に従事したと固く信じている」と述べた。

飛行記録によると、アサンジ氏は既にサイパンを離れ、豪首都キャンベラに向かった。

同氏は英国の刑務所に5年以上収監されていたほか、ロンドンのエクアドル大使館に7年間籠城し、スウェーデンでの性的暴行容疑や米国への身柄引き渡しを巡り法廷闘争を続けた。

豪政府はアサンジ氏の釈放を求め、米国に繰り返し問題を提起してきた。

アルバニージー首相は26日の記者会見で「(釈放は)この24時間で起きたことではない」とし、熟慮され、忍耐強く調整されたものだと述べた。

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