卓球・平野美宇選手の母・真理子さんが東京五輪代表選考レース当時を回顧「やめてもいいよ」その真意とは

卓球・平野美宇選手の母・真理子さんが『人生が変わる1分間の深イイ話 復活2時間SP』に出演。母と娘の“ある約束”が明かされた。

この日は、『有名人の家族は本当に幸せなのか?』と題したテーマで、卓球女子シングルス・パリ五輪日本代表として、今夏の五輪に出場する平野美宇選手を育て上げた母・真理子さんに7年ぶりに密着。

中学から大学まで卓球部に所属していた真理子さんは、筑波大学卒業後に10年間教壇に立った元先生。そして、退職後もその教える喜びを忘れられず、山梨県に『平野卓球センター』を開校し、選手を育成。さらに、特別支援学校の先生の経験もあり、この教室を作った時から子どもも高齢者も男女も、障がいのある人も関係ない“超バリアフリーな卓球場”にしたかったと話した真理子さん。

そんな真理子さんが、“練習中に絶対言わないと決めている言葉”が、“やりなさい”。“やったらどう?”とは言うが、“やりなさい”と言わない理由について真理子さんは、「やりたくてやったことには意味があるけど、“やりなさい”って言われて仕方なくやったら時間のムダだと思わない?」ときっぱり。さらに「勉強でも卓球でも何でも、(やらされてやるのは)時間のムダだよね」と思いを明かした真理子さんは、美宇さんら3人の娘たちに対しても絶対に“やりなさい”と強制はしてこなかったという。

そんな真理子さんが、美宇さんが期待されていたリオ五輪代表落ちした2年後の2018年を振り返った。美宇さんは、東京五輪代表選考レース中に、極度のプレッシャーで“部屋からも出られない”、“ラケットを握るだけで涙が出ちゃう”という状態に陥ってしまったそうで、「練習もできない、ご飯もろくに食べれないみたいな。もうほぼほぼ引きこもりに近いような、そういう状態みたいだよっていう話を、美宇からじゃなくて周りの方から聞いて」と明かした。

そして「“これもう絶対ダメだ”と思って、夫にもね“このままだったら美宇は卓球選手として終わるよ”って」と、夫婦で娘の引退を覚悟したという。真理子さんは「“やめていいよ”って言った。“帰っておいで山梨に”って“。山梨で新たな夢を見つけて、第2の人生を一緒に歩めばいいよ”って。“山梨に帰っておいで”って言いました」と、昔と変わらぬ言葉を娘にかけたという。

その言葉の真意について「“やめてもいいよ”の言葉の本当の内側は、美宇がどうしたいのか、ここで本当にやめたいのか。本当はやめたくないけど、いろんな雑念で卓球に向き合えなくなってるだけなのか。本当はオリンピックの夢を諦めたくないのか」との思いがあったことを明かした真理子さん。その変わらぬ教えに美宇さんも奮起し、東京五輪は団体で代表に選出され、銀メダルを獲得。

そして、来月から始まる運命のパリ五輪で、7歳で目指した夢の金メダルを狙う美宇さん。しかし、スタッフが真理子さんに夢を尋ねると「障がいのある人もない人も、誰でも一緒に楽しめるような社会ができるといいなって。その見えない壁を私がとっぱらえたらいいなと思って」と回答。スタッフが改めて「美宇さんがオリンピックで金メダルを獲るのが夢とかじゃないんですね?」と質問。

すると真理子さんは「それは美宇の夢で、私はそれを応援する人ではあるけれども、私自身の夢ではないよね」ときっぱり。親も自分の夢を持ち続け、「自分自身の夢を持って、笑顔で生き生きと生きるべきだと。そういう姿を見せることが、自分の子どもへの願いをかねえることにつながると思うので、子どもの夢におんぶに抱っこじゃなくて、私自身が私自身の夢に向かって努力している姿を、そういう背中を見せた方がいい」と胸の内を明かすと、見守ったスタジオには涙する出演者も現れ、感嘆の声が上がった。

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