インド国債の新興国債指数組み入れ、南アなどから110億ドル流出か

[25日 ロイター] - 米JPモルガン・チェースのアナリストチームの試算によると、インド国債がJPモルガンの新興国債券指数「GBI-EM」に組み入れられると、南アフリカ、ポーランド、タイの新興3カ国から総額110億ドルが流出する見通しだ。

組み入れは今月28日に始まり、完了まで10カ月かかる。3カ国ごとの流出額は南アが47億ドル、ポーランドが33億ドル、タイが32億ドルと見込まれている。このほかチェコとチリからもそれぞれ29億ドル、25億ドルが流出すると予想されている。

JPモルガンのストラテジスト、マイケル・ハリソン氏はノートに「新興国市場を専門とする投資家にとって、インドのJPモルガン指数への組み入れはゼロサムゲームになり、他の新興国の債券市場から資金が流出すると見込んでいる」と記した。

指数の比重の変動を地域別に見ると、最も打撃が大きいのは欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域で、インドの組み入れが完了する来年3月までに比重が今月初めの約32%から26.2%に低下する見通し。EMEA地域の比重は既に2022年には、ロシアがウクライナへの侵攻により指数から除外されたことで21年の40%から低下している。

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