ドトールコーヒーに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

ソツがない戦略(前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏)/(C)日刊ゲンダイ

事実上の与野党対決の構図となった東京都知事選(7月7日投開票)に食らいついているのが、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)だ。若さを武器にした豊富な活動量でじわじわと浸透。情勢調査などによると、3選を狙う小池百合子知事(71)、蓮舫前参院議員(56)に次ぐ3番手につけている。X(旧ツイッター)では「#石丸伸二」が連日トレンド入りする注目度の高さ。この展開にニンマリなのが、切っても切れない間柄のドトールコーヒーだ。

25日は「ドトール」もXのトレンド入り。石丸氏効果だ。というのも、石丸氏の選挙戦を物心両面で全力支援しているのは、後援会長に就いたドトール創業者の鳥羽博道名誉会長。告示以降の石丸氏はヒモ付きなのを隠すどころか、アピールに余念がない。第一声直後にカメラの前でワッフルをパクつき、「これ、ドトールなんですよ」と宣伝に汗をかいていた。過去のX投稿でも看板商品の写真を唐突にアップしたこともある。

■株価右肩上がり

そんなこんなで、持ち株会社のドトール・日レスホールディングスの株価も一本調子で上昇。年初来高値の2278円をうかがう勢いだ。ロータス投資研究所代表の中西文行氏はこう言う。

「カフェ業態は猛暑関連銘柄。熱中症が警戒される時期になると、外回りのサラリーマンが涼を求めて足を運ぶため、ドトール・日レスは地合いがいい。加えて、『石丸=ドトール』という認知の広がりが買い材料になっている側面もあるでしょう。こうなってくると、政見放送の宣伝効果は計り知れない。少なくともNHKは朝晩2回、1都6県で放送します」

鳥羽氏の持ち株比率(2月末時点)は3.10%、長男の豊氏が1.90%で共に大株主。合わせた時価総額は48億円に上る。ちなみに、鳥羽氏は安倍元首相夫妻と親交があり、ドトール・日レスは5月に「安倍に最も食い込んだ記者」と呼ばれる元NHK解説委員の岩田明子氏を社外取締役に迎えている。

© 株式会社日刊現代