南海トラフ地震で津波被害が想定される地区で津波避難訓練を実施 観光と津波防災を兼ねた複合施設に避難 静岡・伊豆市

観光と防災の両立を目指す静岡県伊豆市は、南海トラフ地震で津波被害が想定される土肥地区で津波避難訓練を行いました。

「訓練訓練、ただいま大きな地震が発生しました」

土曜日に行われた訓練は、震度7の揺れを観測し、10メートルの津波が発生したことを想定。

地元住民らおよそ200人が5カ所に分かれてそれぞれ近くの避難施設へ向かいます。

参加者は揺れが収まるまでのおよそ2分間、その場で身を守り、津波警報の発令を待たずに津波避難タワーなどに逃げました。

ただし、観光客役の大学生たちは土地勘がないため、住民から誘導されての避難です。

観光とべう際の複合施設で

客「何ですか」

住民「津波が来るみたいなので逃げましょう」

客「あそこですね」

海岸周辺にいた人たちは、7月オープンする全国初の観光と防災を兼ねた津波避難複合施設「テラッセ・オレンジ・トイ」の階段を駆け上がり、およそ19メートルの高さの屋上に逃げました。

この施設には地元の特産物の直売所やレストランが設けられ、津波発生時には避難施設の役割を果たします。

参加住民:
「自分は必死で来たけど」

Q足が不自由だと階段上るの辛いですよね?

「(手すりに)つかまりつかまり杖ついて来ました。階段が急じゃないから良かったね」

Qご自宅から5分以内来られる距離ですか?

「私来れるかな」

参加した住民:
「一時不安でしたけど、この施設を見て安心しました。スムーズに来まして建物の上階まで上がりました。これでしたら観光客も安心だと思います。地元の人もね」

菊地豊市長は

市によると、地震発生から津波が到達するとされる6分以内におよそ9割が避難できたという事です。

菊地豊市長:
「地元の皆さんが毎日のように買い物に来るわけです。その時にあえて2階まで歩いていただく健康管理のつもりで。そうすると生活そのものが避難訓練になるわけです。これはなかなか全国にない施設だと思いますので」

訓練では避難経路と避難時間を検証するため、およそ100人にGPSを装着。

アンケート調査と合わせて分析し、課題や問題点を出して今後の避難計画に生かしていくということです。

© 静岡朝日テレビ